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史料纂集古記録編 第200回配本 勘仲記6 (しりょうさんしゅうこきろくへん200 かんちゅうき6)

高橋秀樹・櫻井彦・遠藤珠紀校訂

キーワード:
藤原兼仲 / 広橋兼仲 / 文化 / 朝廷 / 元寇 / 宗教 / 鎌倉 / 芸能 / 古記録 / 政治 / 両統迭立 / 経済 / 宮廷儀式

本体13,000円+税

初版発行:2019年5月30日 A5判・上製・函入・304頁 ISBN 978-4-8406-5200-1 C3321



蒙古襲来前後の朝廷の様子や、持明院・大覚寺両統迭立など、重要な事件を目撃した実務官人の克明な記録を自筆本により翻刻

【内容説明】■史料纂集本勘仲記の特長
●自筆本を底本とする最善の本文を提供。
●断簡や逸文、日記本文が現存しない部分の日記目録も収録。
●墨継ぎや文字間隔、追筆・挿入・抹消に見られる兼仲の筆録意識を読み取るなど、最新の研究成果に基づく、最善の本文を提供。


■勘仲記とは
藤原(広橋)兼仲(一二四四—一三〇八)の日記。日記名は勘解由小路中納言兼仲の称に由来する。別名『兼仲卿記』。国立歴史民俗博物館に自筆本九十巻が所蔵されているほか、若干の断簡や逸文が伝わっている。日野流の広橋家は文筆の家として朝廷に仕え、兼仲の父経光の 『民経記』など、代々日記を残した。
 本記は将軍惟康親王の京都送還と久明親王の将軍宣下・関東下向など鎌倉幕府と朝廷との関係、持明院・大覚寺両統迭立、鎌倉後期の公家訴訟制度の実態と整備、摂関家の家政、畿内寺社や在地の動向、詩文・神楽、仏教説話的な言説等々、政治・経済・宗教・文化・芸能、さらに宮廷儀式と多方面にわたる十三世紀後半の一級史料である。
 とりわけ二度の蒙古襲来とその前後の京都の状況を知る重要な記事を多く含み、朝廷・寺社がこの事態にいかに対処したかを看取できる。

■藤原兼仲
父は経光、母は藤原親実の女。正嘉二年(一二五七)十四歳で叙爵し、治部少輔や摂関家の政所別当などを勤めた。兄兼頼が弘安三年(一二八〇)死去した後、家を継いで四十一歳で蔵人となり、弁官や亀山上皇の院司にもなった。正応五年(一二九二)に蔵人頭から参議となって公卿に列し、永仁元年(一二九三)には権中納言となったが、翌年、これを辞し、延慶元年(一三〇八)六十五歳で死去した。


●伏見天皇の即位式
 兼仲は弁官として参仕したこともあり、即位日時の勘申(2月19日条)、礼服御覧(2月21日条)、即位式に供奉する官人の除目(3月6日条)、太政官庁の装束(3月8日条)など、即位式(3月15日条)の準備段階から詳細な記事が残されている。
●即位に伴う改元
 4月28日には改元定が行われ、中国・北魏の正史である『後魏書』から取られた「正応」に決定するまでのプロセスが記されている。
●兼仲の周辺
 息子である光資が元服し(正月17日条)、宮廻に参仕(2月6日条)、さらに秀才に補任される(2月23日条)記事や、家領である山辺荘に関する訴訟記事(8月12日条ほか)なども注目される。

【目次】【所収】弘安11年(1288)正月~同年9月


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