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キリシタン世紀の日本 (きりしたんせいきのにほん)

C・R・ボクサー原著/高瀬弘一郎訳

本体15,000円+税

初版発行:2021年6月30日 A5判・上製・函入・728頁 ISBN 978-4-8406-2238-7 C3021



イギリスの歴史学者C・R・ボクサーのキリシタン通史の名著を日本語翻訳
葡・西・蘭・仏・日など諸国語の膨大な原史料と研究を読み解き、大航海時代の歴史を広い視野から透徹した名著が、日欧交渉史の泰斗による日本語翻訳版で初刊行!

【内容説明】〔原著〕Charles Ralph Boxer,The Christian Century in Japan 1549-1650, University of California Press,(1951) second printing,corrected,1967.

●原史料の読解と深い学識を備えた英国人・ボクサーの名著
 各地の文書館が所蔵するイエズス会原史料を渉猟し、高い教養と当該時代に関する深い学識を備えた、英国人研究者のチャールズ・ラルフ・ボクサー(1904-2000)の名著。1951年に初版が刊行されてから70年が経過した今日でも必読すべき本書を、本邦初の日本語訳で公刊する。

●キリシタン時代の日本を世界史的な視野から俯瞰
 カトリック教会関係者やカトリック側から歴史を見る外国人研究者が断然優位に立つ中で、著者ボクサーは、キリシタン時代の日本を世界史的な視野から俯瞰し、大航海時代の日本におけるカトリック布教を通史的に著述しており、極めて有意義な史観を有する。

●国内史的、カトリック的思考を省察
 日本史上初めて価値観を異にする諸外国・カトリックとの関係が重要な史的要因となるキリシタン時代。キリスト教徒ではあるが、非カトリックの学識深いイギリス人ボクサーは、キリシタン布教が大航海時代の所産であることを明確に示し、ボクサーの解釈は、国内史的、カトリック的思考を省察するきっかけとなる。

●キリシタン交渉史の第一人者による翻訳と解説
 訳者の高瀬弘一郎は、研究書『新訂増補 キリシタン時代対外関係の研究』や史料集『モンスーン文書と日本—十七世紀ポルトガル公文書集—』(いずれも八木書店刊)などを著したキリシタン交渉史の第一人者。本書の末尾には、訳者による解説と索引を付す。

【目次】序  文

第一章 マルコ・ポーロからメンデス・ピントへ
Ⅰ チパングとそこに至る道/中国探求/倭寇とゴーレス/日本に関する最初の記述/中国沿岸におけるポルトガル人先駆者
Ⅱ ピントと彼の『遍歴記』/ポルトガル人の日本発見
Ⅲ 罪人と聖人の第一印象

第二章 イエズス会士の見た日本
Ⅰ 「戦国」/ヨーロッパと極東におけるイエズス会/すべての霊魂の祭であるお盆/茶の湯/奈良城
Ⅱ 織田信長とルイス・フロイス/神社仏閣/比叡山の大虐殺
Ⅲ ヴァリニャーノと現地人聖職者の養成

第三章 キリスト教と黒船
Ⅰ マカオからの大船/五畿内と九州における神とマモン/長崎の起源と発展
Ⅱ 一六世紀における中国・日本間貿易/日本布教の財政的困難
Ⅲ ポルトガル人舵手とシナ海の航海案内書/日本の地図とヨーロッパの海図

第四章 イエズス会士と托鉢修道士
Ⅰ 日本における教会の盛衰/秀吉とイエズス会士/一五八七年七月の追放令
Ⅱ 狂気の托鉢修道士?/サン・フェリペ号事件とその余波
Ⅲ 秀吉の全盛期における封建制の日本/徳川家康の継承/公方様とキリスト教

第五章 キリスト教文化と宣教師の生活
Ⅰ 文化交流の影響/日本におけるキリシタン版/イエズス会派の絵画と彫刻/狩野派と土佐派の南蛮?風/日本におけるヨーロッパの医学と外科/イエズス会のセミナリオ/軍事について/社会的影響
Ⅱ イエズス会の適応主義/パードレ(伴天連)/修道士(イルマン)/教会奉仕者(同宿)/従僕と奴隷/「すべてのものをすべての人に」と「ダブラ・ラサ(白紙状態)」
Ⅲ ポルトガル人とスペイン人の確執/托鉢修道士の阿呆?

第六章 海賊と貿易商人
Ⅰ 「小人の盗賊」/征服者の自惚れ/朱印船の貿易と航海
Ⅱ 「喧嘩早い日本人」/ノサ・セニョラ・ダ・グラサ号事件
Ⅲ ウィリアム・アダムズと平戸の紅毛人/インドシナと台湾における大騒ぎ/マカオでのさらなる紛争/日本人のフィリピンとの関係/不運なカピタン・モール/「長崎における教皇礼賛の不埒な悪党」

第七章 不屈のキリスト教信仰の勝利
Ⅰ キリスト教徒の第五列、それは現実か幻想か?/家康の追放令の原因・発布・結果/長崎教会分裂
Ⅱ 有馬の殉教者/迫害における動揺/封建的忠誠とキリスト教倫理/血の証し/イギリス人の陰謀/長谷川権六とその継承者たち/日本の牢獄/火炙り/水責め、その他/九州における集団棄教/穴吊し/東北地方における信仰の伸展/殉教の勧め/潜伏キリスト教徒/迫害の結果

第八章 鎖  国
Ⅰ 第三代徳川将軍/イエズス会士と生糸貿易/マカオ船来航と宣教師の潜入/マカオ・ガレオタ船と朱印船/マニラ攻撃計画
Ⅱ 島原の乱とその影響/ポルトガル人の追放/「深き淵より」
Ⅲ/Ⅳ 殉教者と棄教者/「納戸仏法」/教区司祭シドッティの最期/時局小冊子?

付  録
一五四九年一一月五日付け鹿児島発、フランシスコ・ザビエルの、ゴアのイエズス会士たち宛書簡の抜粋/一五八五年七月五日~一五八六年三月三〇日、「サンタ・クルス号の水路誌」/一五九三~一五九七年、イエズス会士とフランシスコ会士の確執に関する宣誓供述書/一六〇九年頃、中国・日本間貿易に関するペドロ・デ・バエサの記録/一六一一~一六二一年、マカオ・長崎間貿易に関する日本の国書/一六二四年八月二五日、大村における殉教/一六三六年六月、鎖国令の本文/一六四五年、転び証文/一五三二~一六五二年、日本年号一覧表/一五八七~一六五〇年、長崎奉行一覧/一五四九~一六四三年、イエズス会日本布教の長/一五六八~一六四三年、イエズス会の日本管区および中国準管区の巡察師/一六三三~一六四三年、背教神父/一六一四~一六五〇年、殉教概史


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