出版物
日本書紀の誕生―編纂と受容の歴史― (にほんしょきのたんじょう)
本体4,800円+税
初版発行:2018年4月30日 A5判・上製・カバー装・536頁+カラー口絵8頁 ISBN 978-4-8406-2225-7 C3021
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日本最初の「正史」はどのように編纂され、読み継がれたのか
最新の研究成果をふまえ、多彩な分野の研究者21名が日本書紀を読む前に知らなくてはならない事項を書き下ろし
主要写本のカラー口絵・文献目録・関連史料集・写本一覧など付録満載
【内容説明】〔本書の6つのみどころ〕
①日本書紀本文を読む前の入門書
奈良時代の編纂事情と、奈良時代以後に読み継がれた受容に着目し、その最新研究の最前線を示す。日本書紀本文を読む前に、知らなくてはならない事項を提示する、待望の日本書紀研究入門。
②学際的アプローチ
日本史、朝鮮史、日本文学、文化史、日本語学、漢籍受容史、思想史、神道史など、各界をリードする研究者21名が多角的・学際的に考察。全編書き下ろし。
③日本書紀編纂の謎に迫る
日本書紀の編纂資料の実態とは。幻の系図一巻とは。記事はどのように形成されたのか。日本書紀の本文表現に強く影響を与えた漢籍受容の実態とは。発掘された木簡が語る日本書紀「潤色」の論理とは。神話はどのように形作られたのか。暦の年月日記載から読み解く記事の信憑性とは。編纂にまつわる様々な謎を解き明かす。
④読み継がれた日本書紀の多面な受容の歴史
日本書紀講書の諸問題とは。日本書紀神話が変容し再生した中世日本紀とは。日本書紀の写本を残した吉田家の神道思想とは。日本書紀を読み継いだ痕跡「古訓」を読み解くために必要な知識とは。源氏物語にみえる日本書紀とは。奈良時代以後、様々な形で読み継がれた日本書紀受容・読書の歴史を明らかにする。
⑤豊富なカラー口絵
日本書紀の代表的な古写本8点をカラー掲載。なかでも学界で最近紹介された日本書紀の現存最古写本の一つ、大垣本(平安前期・神代巻上断簡)を新撮影し収録。
⑥多数の付録
主要写本一覧、関連史料集、文献目録、複製本・ウェブアクセスガイドなど、日本書紀を調べるための付録を満載。
各誌で絶賛紹介
安藤峻 新刊紹介『ヒストリア』282(2020年)
堀川徹 書評と紹介『古文書研究』89(2020年)
武廣亮平 書評『歴史評論』838(2020年)
小塩慶 新刊紹介『日本史研究』675(2018年)
『毎日新聞』(2018年9月15日)
『朝日新聞』(2018年6月27日)
【目次】カラー口絵 日本書紀の古写本(遠藤慶太解説)
序 河内春人
Ⅰ部 総論―日本書紀研究とは何か―
1 荊木美行「日本書紀研究の現在」
2 石上英一「日本書紀の写本」
コラム 是澤範三「海外の日本書紀研究1―台湾―」
コラム 赤羽目匡由「海外の日本書紀研究2―韓国―」
Ⅱ部 日本書紀の前史
1 関根 淳「天皇記とその前後」
2 遠藤慶太「古事記と帝紀」
3 河内春人「日本書紀系図一巻と歴史意識」
4 廣瀬憲雄「百済三書と日本書紀」
コラム 沖森卓也「日本書紀の語法―和習―」
Ⅲ部 日本書紀の成立
1 榎村寛之「記紀神話・伝承における素材・文学性・政治性」
2 細井浩志「日本書紀の暦日について―雄略紀を中心に―」
3 髙田宗平「日本書紀神代巻における類書利用」
4 市 大樹「木簡と日本書紀の用字」
5 笹川尚紀「記事の形成―允恭紀の中臣烏賊津使主伝承を中心に―」
6 久禮旦雄「神話の形成と日本書紀の編纂」
コラム 関根 淳「仮名日本紀」
Ⅳ部 日本書紀の受容と展開
1 長谷部将司「日本紀講書と受容―八世紀における日本書紀の普及について―」
2 是澤範三「日本書紀古訓論」
3 原 克昭「中世日本紀」
4 平沢卓也「吉田家と日本書紀―吉田兼倶の神代巻講釈を中心に―」
コラム 石田実洋「慶長勅版の神宮献納」
コラム 松本 丘「垂加神道における日本書紀研究」
コラム 湯淺幸代「源氏物語と日本書紀」
付 録
1 日本書紀訓点本諸本一覧(是澤範三)
2 日本書紀関係記事史料集
3 日本書紀研究文献目録(抄)(関根 淳)
4 日本書紀写本の複製一覧―影印本・ウェブ画像―
あとがき 遠藤慶太
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