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日本古代君主号の研究—倭国王・天子・天皇— (にほんこだいくんしゅごうのけんきゅう)

河内春人著

キーワード:
天皇 / ワカタケル / 律令国家 / 天武天王 / 天智天皇 / 皇帝

本体9,000円+税

初版発行:2015年2月25日 A5判・上製・480頁 ISBN 978-4-8406-2602-6 C0021



倭国王・天子・皇帝—「天皇」以外にも使われた古代の称号と変遷の意味とは?
中国との外交交渉で名のった称号を手がかりに君主を頂点とした古代天皇制の成立を明らかにする!

【内容説明】●古代において「唯一」の君主号と無意識のうちに理解されてきた「天皇」。中世・近世では天皇号はあまり使われず(中世では院号など。天皇号が「復活」するのは近世の光格天皇以後)、「天皇」がほぼ唯一の君主号として確立するのは近代以後のこと。日本史上、天皇号は主たる称号ではなかった。
●「天皇」号が成立する以前、日本古代では、倭国王(5世紀)、治天下王(6世紀)、天子(7世紀)などの変遷があった。
●律令国家の成立後も、律令では天子・皇帝・陛下など複数の称号が規定されているが、なぜ「天皇」以外の称号が併存するのか、その意味は問われてこなかった。
●これまで「天皇」の語の成立ばかりが議論されていた現状を止揚し、天皇以外の君主号を手がかりに、対外関係という新視点を盛り込み、5世紀後半と律令国家成立期に君主号成立の画期があったことを論証。
●君主号への再検討の過程で、倭王武=雄略天皇という通説への新知見、遣隋使の派遣にかかわる諸問題、天智天皇の「称制」の意味、日本と中国の律令比較など、古代史の重要な諸問題に一石を投じる。
●日本古代の君主号ばかりでなく、中世から近代にいたるまでの君主号、および「日本」国号成立に関連するコラム4本「近代化と君主号」「倭国王と倭王」「日本国号」「日常の名称」を収録。

【目次】序章 日本古代史における君主号研究
 課題の設定
 Ⅰ 研究史の概観
   1古代・中世/2近世/3近代/4現代
 Ⅱ 論点と課題
 Ⅲ 君主号とイデオロギー
 Ⅳ 本書の構成
 結  言
 〔コラム〕近代化と君主号

第一部 自律的支配の形成
第一章 倭王武の上表文と文字表記
 問題の所在
 Ⅰ 上表文の作成者
 Ⅱ 上表文奉呈の背景
 Ⅲ 東アジアにおける人名表記
 Ⅳ 武とワカタケル
 結  言

第二章 倭国における南朝官爵の史的意義—叙任権と叙爵権を中心に—
 問題の所在
 Ⅰ 五世紀東アジアにおける中国官爵
  1高句麗の中国官爵/2百済の中国官爵
  3倭国の中国官爵/4小結 —東アジアにおける政権構成—
 Ⅱ 府官制の実体
 Ⅲ 王族と有力豪族
 結  言
 〔コラム〕倭国王と倭王
第三章 倭国における「天下」観念
 問題の所在
 Ⅰ 「天下」概念の創出と展開
  1金石文における「天下」/2文献における「天下」
 Ⅱ 東アジア諸国の「天下」とその比較
  1中国の天下/2朝鮮における「天下」
  3倭国の「天下」とその特質
 Ⅲ 冊封体制からの離脱
 Ⅳ 「治天下」の共同性
 結  言

第二部 古代天皇制への道程
第四章 推古朝における君主号の定立
 問題の所在
 Ⅰ 遣隋使の派遣回数
 Ⅱ 推古朝「天皇」号成立説と遣隋使
 Ⅲ 外交と君主号
 結  言

第五章 天智「称制」考
 問題の所在
 Ⅰ 称制について
  1中国の称制/2日本の称制
 Ⅱ 天智「称制」の特異性
 Ⅲ 治天下王から治天下天皇へ
  1白村江直前における倭国と百済
  2王朝建国と多重即位
  3天智の多重即位
 Ⅳ 天武朝「天皇」号成立説をめぐって
  1「皇弟」について/2天武朝における君主号
 結  言
 〔コラム〕日本国号

第六章 令制君主号の史的前提—「天子」号を中心に—
 問題の所在
 Ⅰ 日唐律令法の比較
 Ⅱ 律令「天子」の称号的論理
 Ⅲ 天孫から皇孫へ
 結  言

第七章 華夷秩序の形成と方位認識
 問題の所在
 Ⅰ 夷狄認識の体系化
 Ⅱ 「中華」意識の発現
 Ⅲ 華夷秩序以前の方位認識
 結  言
 〔コラム〕日常の名称

終章 大宝律令の成立と遣唐使派遣
 総  括
 Ⅰ 大宝律令携行問題をめぐって
 Ⅱ 節刀の成立
 Ⅲ 大宝遣唐使派遣の意義
 展  望

あとがき/索引/初出一覧


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