出版物
誹諧短冊手鑑 (はいかいたんざくてかがみ)
本体35,000円+税
初版発行:2015年8月20日 A4判・上製・貼函入・474頁 ISBN 978-4-8406-9695-1 C3092
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新出資料!
江戸初期俳人七五六名、八〇四枚の短冊を高精細カラーで影印!
貞門・談林の著名俳人を網羅し、元禄以前のさまざまな階層の俳人の素性を伝える画期的資料。
その全貌を初公開!
【内容説明】本書の特長
◆元禄に入るまでに収集された短冊を元に成立し、古筆の家に伝わった短冊帖の全貌を初公開。保存状態極美の短冊八〇四枚は全て高精細カラー印刷で影印、さらに各短冊の裏書および作者情報が記された札も全てモノクロ図版で掲出。
◆短冊帖(雪・月・花の三帖)は、公家・大名・旗本・家中衆・地下・神官・禰宜・釈氏・連歌師・女筆・能書・古筆・俳諧宗匠・町人等に分類され、貞門・談林の著名俳人はほぼ網羅、芭蕉とその門人も「江戸談林」の並びに収録。
◆筆跡・短冊料紙の文字通り『手鑑』であるのみならず、元禄以前の俳人の素性を伝え、かつ俳諧という文芸がさまざまな階層へ広がっていたことを示す画期的な新出資料。近世文学・俳諧・古筆研究者、短冊愛好家、古書店主、必携の書!
驚愕の新資料—貞門・談林俳人研究の基本文献
奈良大学教授 永井一彰
平成二十二年七月、関西の某古書肆でこの短冊帖を示された時、私は我が目を疑った。それはこのようなものが残っていることへの驚きであった。その後一年ほど、『誹諧短冊手鑑』と題された雪・月・花三帖収録の短冊八〇四枚の読解に、私は全てを忘れて没頭することになる。調べてみると、各帖に古筆鑑定家十代了伴の題簽・題字・箱書きを備えるこの手鑑は、元禄に入るまでに編集され、古筆の家に伝わって来たと考えられ、半世紀以上前に野間光辰氏が紹介された「寛文比誹諧宗匠并素人名誉人」の典拠であることも判明した。筆跡・料紙資料として貴重なことは言うまでもないが、短冊の肩に押された札及び裏書きの記述も極めて正確かつ詳細である。不明なことの多い貞門・談林俳人研究の基本文献として広く共有していただくのが所蔵者の責務であると考え、影印刊行を思い立った次第である。
『鉄心斎文庫短冊総覧むかしをいまに』付録に渉猟された如く、短冊のコレクター・コレクションは少なからず存在し、図録・文献も数多く残る。が、俳諧短冊を研究資料として位置付けることは未だ出来ていない、と思う。理由は、それに相応しい纏まった資料が出現しなかったからでもある。本書がそのきっかけになればこれに勝る幸いはない。
■著者のWEBコラム「短冊・トラウマ—『誹諧短冊手鑑』刊行に際して」はこちら前編・後編
【著者情報】※researchmapなどへの外部リンクです
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