出版物
史料纂集古記録編 第173回配本 兼見卿記3 (しりょうさんしゅうこきろくへん173 かねみきょうき3)
本体13,000円+税
初版発行:2014年5月20日 A5判・上製・函入・312頁 ISBN 978-4-8406-5173-8 C3321
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織豊期の最重要史料40年ぶりに続刊!
【内容説明】『史料纂集』は、史学・文学をはじめ、日本文化研究上必須のものでありながら、今日まで未刊に終っていた史料を中核とし、さらに既刊のものでも、現段階において全面的に改訂を要することの明らかなそれを加えて、学界最高の水準で公刊するもの、『大日本古記録』と相並び相補う形で、各時代未刊重要史料の集成の実現をはかるものであります。
神祇大副吉田兼見(一五三五−一六一〇)の日記。兼見は吉田神道の宗家、吉田社神主の家職を承けて神道管領長上を称し、全国の神職に対して、補任その他神道伝授等につき絶大なる権勢があった。神事に関する記載のほか、変転する中央政界の情勢、特に信長・秀吉・家康らの有力武将達の動静に詳しく、社会および学芸等に関する記載も豊富で、安土桃山時代の最も重要な史料である。
〔収録範囲〕
1585〔天正13〕~1587〔天正15〕
●吉田兼見(1535~1610)の日記。兼見は、兼右の子、もと兼和と称したが、天正14年 (1586)、後陽成天皇の御諱(和仁)を避け兼見に改名した。元亀元年(1570)、家督を継ぎ、吉田神道の継承者となる。
●兼見の交友関係は、足利義昭、織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、細川幽斎など多岐にわたり、時の権力者たちの動勢に詳しい。
●本冊には、豊臣秀吉の紀州雑賀攻め、四国平定、徳川家康との和議、越中の佐々成政攻め、九州平定など政治情勢に関する記事が豊富。
●天正13年11月15日に起こった大地震の記述も見られ、中部地方の内陸を震源とする地震により、近江・伊勢の死者がおびただしく、丹後・若狭・越前の沿岸部では大津波が押し寄せ、多数の死者が出たという。
●この他、天正15年10月の「北野社の大茶会」や、黄金の茶室と茶道具、連歌等の文芸に関する記事も見られる。
●兼見の弟で、吉田山下の神龍院の住職であった梵舜の日記『舜旧記』全8冊(史料纂集古記録編:全8冊、完結)と併読することにより、織田信長の台頭、本能寺の変、豊臣秀吉の天下平定にいたる様子が看取できよう。
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