出版物
明治大学図書館所蔵 三条西家本 除目書 (めいじだいがくとしょかんしょぞう さんじょうにしけぼん じもくしょ)
本体15,000円+税
初版発行:2021年5月31日 B5判・上製・カバー装・344頁+カラー口絵8頁 ISBN 978-4-8406-2248-6 C3021
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新発見!
平安時代・後三条天皇自撰の幻の儀式書を初公開
後三条天皇自撰の除目の儀式次第・作法を書いた、幻の儀式書『除秘鈔』(『院御書』の除目儀部分)の影印・翻刻・解説を付して全貌を初公開。
九条家流の故実書と、室町期の地方文化ネットワークを知る紙背文書も併載。
【内容説明】●重要資料3点、影印・翻刻・解説を付し初公刊
1カラー口絵(8頁)とモノクロ影印により全文を写真版で公開
2人名・年代比定を経た、精確な翻刻
3原本調査と緻密な調査に基づいた書き下ろしの解説
■除秘鈔
後三条天皇自撰の幻の儀式書『院御書』を知る決定版
後三条天皇(1034-73、在位1068-72)の自撰による、除目の儀式次第・作法を書いた儀式書。長らく全貌は不明のままであったが、近年尊経閣文庫所蔵『無題号記録』(尊経閣善本影印集成49収録)こそ『院御書』(「いんのおふみ」。または「いんのみふみ」とも)であることが立証された。明治大学本は尊経閣本にはない多くの情報がみつかり、平安時代を知る資料として大変貴重。本書の公刊により全貌が明らかに。天文9年(1540)三条西公条筆。
無外題春除目
三条西公条筆による九条家流の故実書
『除秘鈔』と同時期に三条西公条によって書写された、九条家流の除目故実書。2種の史料が混在しており、九条家本『春除目抄』が記す儀式とほぼ同内容を持つものと、九条家流の除目作法を記した問答形式の故実書とに分かれる。本書により本文の釈読を含めた精細な内容が公開される。
除秘鈔・無外題春除目紙背文書
15-16世紀の京都と地方をつなぐ文化的ネットワークを知る
三条西実隆(1455-1537)・公条(1487-1563)父子に宛てた紙背文書約50通を収録。北陸三国(若狭・越前・能登)の武士の書状が多い。『源氏物語』『史記』「伊勢物語御聞書」などの書籍の貸借や所望・教授を求めたことなど、文芸を希求してやまない武士の生々しい肉声が知られる。その他、周防の杉興道や河内の木沢長政、連歌師肖柏・宗牧など全国各地から来信も見られ、三条西実隆・公条父子の名前が地方にまで広く及ぶ様子が知られる。
【本書の書評】
『史学雑誌』132-6(2023年、佐古愛己氏執筆)
【目次】カラー口絵(8頁)
はじめに【南保勝美】
第一部 影印編
第一章 除秘鈔
第二章 除秘鈔 紙背文書
第三章 無外題春除目
第四章 無外題春除目 紙背文書
第二部 翻刻
第一章 除秘鈔(2色刷)
第二章 無外題春除目(2色刷)
第三章 紙背文書
第三部 解説
第一章 除秘鈔【田島 公】
第二章 無外題春除目【志村佳名子】
第三章 紙背文書【末柄 豊】)
あとがき【牧野淳司】
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