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近代歌舞伎年表 名古屋篇10  大正6年~大正7年
在庫あり

近代歌舞伎年表 名古屋篇10  大正6年~大正7年 (きんだいかぶきねんぴょう なごやへん)

国立劇場近代歌舞伎年表編纂室編

本体19,000円+税

初版発行:2016年3月31日 B5判・上製・貼函入・698頁 ISBN 978-4-8406-9244-1 C3395



第10巻 大正6年~大正7年
歌舞伎を中心とした周辺芸能をも含む正確精細な年表

【内容説明】明治元年~昭和二十二年まで、名古屋の劇場で演じられらた、歌舞伎を含む、新派・新劇、映画、寄席芸などあらゆる演劇を収録した興行年表。「芸どころ」といわれる名古屋は、地理的条件から東西の名優が興行することが多いため、従来三都の役者の動向がより詳細に補されるばかりでなく、三都以外の地方演劇の状況の典型として、近代演劇の需要状況が手に取るように分かる。なお本名古屋篇から新たに政談演説会・見世物興行の一覧を年末にまとめ、より広範に近代演劇の動向を収録した画期的な年表。

近代歌舞伎年表 名古屋篇 第10巻 ひろいよみ

 大正6~7年を収録。この2年間の名古屋の演劇界は前巻にひき続き、各劇場で興行日数を短くし、演目も頻繁に差し替えるということが状態が続いています。これは、人口に比して劇場数が多いことが主な原因と思われますが、名古屋在住の有力俳優の不在も影響しているかも知れません。しかし、これにより、多彩な興行が楽しめ「名古屋は芸どころ」と呼ばれる伝統を守っているともいえます。
 大正6年の興行界は好景気の影響か、大いに賑わいを見せていましたが、大正7年7月後半から米価の暴騰を機におこった「米騒動」が全国を混乱に陥れました。名古屋にも瞬く間に波及し、鶴舞公園に集結した数万人もの群衆のうち一部が暴徒化して軍の出動となる惨事となりました。そのため、末広座は8月13、14日の公演が中止に追い込まれてしまいました。新守座・蓬座・高砂座などは、役所を通じて施米、寄付などを行い、民衆の鎮静化に一役買っています。しかし客足的には相当な損害を被ったようで、興行界全体としては深刻な打撃を受けた様子が窺えます。そのような状況下で、下回りの俳優達の生活は決して楽ではなく、新派・旧派ほかジャンルや性別に関わらず困窮していていました。そして俳優の窃盗・賭博などの不祥事が度々おこります。これらは劇界記事として掲載し、興行記録と共に名古屋興行界の様子を精確に伝えております。
 また大正7年12月、偕行社において、第三師団将校団の主催によりドイツ人俘虜(捕虜)の楽士約70人による西洋音楽の演奏会が行われました。ベートーヴェンの「第九」の日本初演が徳島におけるドイツ人俘虜によることはよく知られていますが、名古屋でも同様の演奏会が行われていました。


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