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室町幕府将軍直臣と格式
在庫あり

室町幕府将軍直臣と格式 (むろまちばくふしょうぐんじきしんとかくしき)

西島太郎著

本体10,000円+税

初版発行:2024年2月25日 A5判・上製・函入・572頁 ISBN 978-4-8406-2277-6 C3021



将軍直臣から読み解く室町幕府の家格秩序
将軍直臣は守護・大名といかなる関係を構築したか
将軍権力の再生産構造を武家儀礼と直臣の家格秩序の観点で徹底解明
将軍直臣層を番衆(奉公衆)だけではなく、外様衆にまで広げて検討!

【内容説明】①在地有力者が中央権力といかに結びついていくのかを信仰面から解き明かす
 郡鎮守の地方神社が、全国から崇敬を受けるようになる理由は何か。本書では、新興勢力が寺社へ奉加(寄付)を行うことの意味を考察する。室町将軍による近江浅井氏に対する栄典授与や、地方の在地領主による愛宕信仰の受容を示す社記を分析し、実態を解明する。

②番衆(奉公衆)に限定せず外様衆を含めた将軍直臣総体を意識し将軍権力を読み解く
 将軍直臣が分布する尾張・三河の外様衆や番衆(奉公衆)を一覧にまとめ、根拠となる所領所見とともに提示する。また、大嘗会における天羽衣役の調進過程を詳細に分析することで、朝廷・幕府・在地領主の三者が支えた室町期大嘗会の実像に迫る。

③将軍直臣と守護・大名権力との関係を紐解く
 出雲尼子氏はいかにして主家京極氏から守護職を簒奪したのか。尼子氏の出雲・隠岐守護への補任過程を幕府格式のあり方から検討する。尼子氏が守護被官から将軍直臣へと立場を変えることで、守護そして大名へと至ることを解明し、定説より37年早い守護補任を説く。石見益田氏にとっての家格「大外様」の意味や、戦国期畿内の争乱を近江六角氏の姻戚関係などから俯瞰する。また鎌倉~江戸時代の大名京極氏墓所の変遷とその意義を探る。

④在地領主・大名研究の展望を示す研究史整理と書評を収載
 戦国期畿内とその周辺の武家領主研究をまとめ、研究書の書評を通じ、新たな武家領主研究の方向性を提示する。

【目次】
 第一章 中世後期の在地領主研究

第一部 在地有力者と中央権力
 第二章 転用される由緒「灰火山社記」——中世出雲国馬来氏の愛宕信仰——
 第三章 近江尼子氏と多賀社本願不動院 ——天文二十四年銘梵鐘の研究(一)——
 第四章 戦国期近江多賀社の勧進と奉加者 ——天文二十四年銘梵鐘の研究(二)——
  補論一 室町将軍の浅井久政への栄典授与 ——白傘袋・毛氈鞍覆の御免——
  補論二 佐々木越中一族とその家臣、及び清水山と城郭

第二部 尾張・三河の将軍直臣
 第五章 三河の守護と国人
 第六章 尾張・三河の奉公衆
  付表 尾張・三河の室町幕府奉公衆一覧
 第七章 星野氏と天羽衣 ——室町期大嘗会における三河国——

第三部 室町幕府の外様衆と守護・大名
 第八章 室町幕府奉公方と将軍家
  補論三 「外様衆」と「大外様衆」の序列
 第九章 室町幕府と石見益田氏
 第十章 出雲尼子氏の守護職継承過程
 第十一章 戦国大名論
 第十二章 六角氏からみた戦国期畿内政治史
 第十三章 京極氏菩提寺の形成と変遷

第四部 書評
 一 湯浅治久著『中世後期の地域と在地領主』
 二 山田康弘著『戦国期室町幕府と将軍』
 三 弓倉弘年著『中世後期畿内近国守護の研究』
 四 古野 貢著『中世後期細川氏の権力構造』
 五 天野忠幸著『戦国期三好政権の研究』
 六 新谷和之著『戦国期六角氏権力と地域社会』
 七 宮島敬一著『人物叢書 浅井氏三代』

結  語
あとがき/成稿一覧/索引


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