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須恵器研究の新視角
未刊

須恵器研究の新視角 (すえきけんきゅうのしんしかく)

渡辺 一

本体予価11,000円+税

初版発行:2022年2月10日 A5判・上製・カバー装・544頁 ISBN 978-4-8406-2252-3 C3021



須恵器はなぜ受容され消滅したのか――東アジアの焼き物史からみた須恵器の特質に迫る
古代社会を支えた須恵器の受容・生産・流通・消滅を通史的・文化史的な観点から検討。新視角で論じる須恵器研究の決定版。

古墳時代に朝鮮半島から渡来した須恵器は、在来の土師器よりも器質的にはるかに上位に位置づけられる焼き物であった。しかし土師器とは違い、須恵器は一部を除き古代の内に消滅する。その理由は何故か。この素朴な疑問を出発点とし、「列島須恵器」の文化的特徴を示すのが本書の趣旨である。

【内容説明】①世界的視野に立って列島須恵器を評価【第1編】
 須恵器はなぜ日本で受容され消滅したのか。東アジアを中心とする世界の焼き物文化を見通しつつ、日本列島における須恵器の特質を模索する。須恵器の渡来から消滅までを総合的に論じる。
②須恵器の生産・流通に関する新視点の提示【第2編】
 「武蔵国入間郡」をフィールドにして、須恵器生産・流通の実態を探る。考古学のみならず文献史学の成果を踏まえた須恵器論は必読。
③須恵器諸論の包括的な検討【第3編】
 ヘラ記号、工房論、須恵器窯の形態・系譜論ほか平安時代の東日本で須恵器生産が拡大する事情など、研究史上で重要な問題に対し、東日本に視点を置き多角的に論じる。
④編年論の再構築を行う【第4編】
 前著(『古代東国の窯業生産の研究』)で保留した須恵器編年の問題に対し、東国屈指の南比企窯跡群(武蔵国)の編年作業の再検討を通じ、編年論(型式論・年代論)それ自体を課題として探る。

【目次】第1編 須恵器の文化論的視角

第一章 地方窯から列島窯へ――「列島須恵器」の視角
 はじめに
 1 列島須恵器の系譜
 2 列島と須恵器
 3 地方と須恵器―上野・武蔵を例に―

第二章 須恵器の文化論的地平
 はじめに
 一 編年研究にみる須恵器研究の特徴
 二 須恵器と文化論的課題
 三 東北アジア地域の土器文化とその特質
 四 須恵器と文化論
 おわりに―須恵器とその「文化論」的特質―

第三章 須恵器の諸段階――「反須恵器」の視角
 はじめに
 一 他国窯段階―韓人窯段階―
 二 中央窯段階―茅渟県の陶邑段階―
 三 地方窯段階

第2編 須恵器の生産主体と流通

第一章 生産地からみた須恵器の流通
 はじめに
 1 古代地方窯の主体者
 2 居宅交易の景観
 3 居宅交易と須恵器流通の諸問題
 まとめ

第二章 須恵器の流通を巡る諸問題――武蔵国を例に
 はじめに
 1 特定的流通段階の問題
 2 面的流通確立段階の問題
 3 最大流通域形成段階の問題
 4 流通域再編段階の問題
 まとめ

第三章 須恵器の流通と生産主体・生産組織
 はじめに
 1 生産主体者の創出
 2 生産体制と生産組織の拡充
 3 生産体制と生産組織の解体的変質
 4 武蔵国分寺瓦の生産体制・生産組織
 まとめ

第四章 須恵器と居宅交易――武蔵国を例として
 はじめに
 1 事例の舞台と分析素材
 2 献物叙位の外形
 3 蓄財過程と須恵器
 4 須恵器と交易
 5 地方市と「居宅交易」
 おわりに
 補説一 「坂戸」地名考
 補説二 主体者入れ替え考

第3編 須恵器の各論的研究

第一章 ヘラ記号論再考
 はじめに
 1 ヘラ記号研究の成果と課題
 2 ヘラ記号と焼成段階の関係
 3 窯詰め事例の分析
 4 ヘラ記号の二重構造
 5 ヘラ記号の最終段階(二態)
 6 奈良・平安時代とヘラ記号
 7 ヘラ記号と須恵器生産体制
 おわりに

第二章 続・地方窯とその工房――関東地方における須恵器工房の諸相
 はじめに
 1 研究史にみる関東の須恵器工房論の現状
 2 工人集落の追補例―月夜野窯跡群関係―
 3 諸形態混在例―南河原坂窯跡群―
 4 工房内包集落にかんする新例
 5 工房集落及び新工房遺跡にかんする新例
 6 関東地方における須恵器工房の時期別変遷と諸課題
 おわりに

第三章 須恵器窯の画期と系譜論
 一 須恵器窯の構造変化と技術の伝播
 二 関東諸国の須恵器窯の画期と系譜及び問題点

第四章 平安時代における須恵器生産の拡大
 はじめに―研究の現状―
 1 平安時代の須恵器生産
 2 東日本における平安時代須恵器生産の拡大とその特徴
 付論 五所川原窯研究の現状と課題にかんする研究ノート

第4編 須恵器編年の実践

第一章 動態編年の実践――生産編年と消費編年
 一 生産編年の方法
 二 編年の実践
 三 須恵器と編年論―「上からの編年」と「下からの編年」―
 おわりに―年代論に向けて―

第二章 年代論の実践――南比企窯跡群の須恵器年代論を例に
 はじめに
 1 鳩山窯跡群の概要
 2 鳩山窯跡Ⅰ期(HⅠ期)の年代
 3 特殊かえり蓋の年代
 4 鳩山窯跡Ⅲ期(HⅢ期)の年代
 5 鳩山窯跡Ⅶ期(HⅦ期)の年代
 6 鳩山窯跡Ⅶ期の年代(続)―承和五年銘土器を手懸かりに―
 7 小結―鳩山窯跡各期の年代に代えて―

第三章 横軸編年の実践――武蔵国と関東諸国の聖武朝の土器論を例に
 1 研究史
 2 八世紀における土器の変遷
 3 武蔵国の暦年代資料とその供伴土器
 4 周辺地域の様相と暦年代資料
 5 武蔵における土器様相とその問題点

終章 須恵器研究の新視角
 1 物質言語としての須恵器
 2 文献史学的知見と考古学―負荷体験の教訓―
 3 二つの「時間」

引用・参考文献
あとがき
初出一覧
索引(事項・人名/遺跡名)


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