出版物

江戸の絵本 画像とテキストの綾なせる世界 (えどのえほん)
本体12,000円+税
初版発行:2010年3月30日 A5判・上製・カバー装・544頁 ISBN 978-4-8406-9671-5 C3071
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浮世絵の次は、絵本研究!
近世文学・美術の垣根を越えて、内外17人の研究者の論考に250余点の図版を添えて刊行!
【内容説明】近世絵本・画譜とはどのようなものなのか。その目的、機能、制作、流通、受容などのメカニズムから江戸の絵本を読み解く。また、代表的作品・絵師を論究した17編の論文と250余点の図版を収録。
江戸時代における絵本とは何か?
そしてその研究に際しては、どのようなことに留意して進めていけばよいのか?
そしてその研究はどのような展望をもって進められるべきか?
現在ようやくその研究の端緒に付いた、「絵本研究」は、その対象となる絵本が大量にその所在を海外に移しているため、日本国内の研究者のみで進めることは不可能である。
本書は、今後の研究に資するべき要点を簡略に示し(鈴木淳「江戸絵本研究のための二十五項)、今後の絵本研究のありかた(浅野秀剛「絵本研究の展望」)を主題として、内外17人の研究者から具体的な論考を集め、研究の最前線を示した画期的な書。
本書は、江戸時代の日本の絵本が欧米を中心に世界を魅了した芸術作品について、絵本上方の絵本・江戸の絵本の特質、画譜の位置づけ、絵本の進化形としての絵入り本など、研究に不可欠な観点を、的確に追究した論考を集録する。
【目次】【総 論】
江戸絵本研究のための二十五項 鈴木 淳
絵本その特質と普遍性 米国ブラウン大学 ロジャー・S・キーズ
【絵本の成立】
近世絵本の誕生をめぐって─現存例と用例を中心に─
浅野秀剛
奥村政信絵本に見る画題の変遷 佐藤 悟
絵馬図譜と武者絵本─元禄末から宝暦期の上方武者絵本の画題と図像─ 岩切友里子
【上方の絵本】
江嶋其磧作西川祐信画『女中風俗玉鏡』の初版と覆刻版をめぐって 倉員正江
月岡雪鼎と絵本─祐信模倣から画風の確立まで─ 山本ゆかり
江戸期上方絵本の流布と展開─長谷川光信の絵本を中心に─
神楽岡幼子
【江戸の絵本】
『青楼美人合姿鏡』における浮世絵の出版及び吉原のネットワーク
米国ペンシルバニア大学 ジュリー・ネルソン・ディビス
『絵本物見岡』私考—江戸名所風俗絵本の成立— 鈴木 淳
葛飾北斎の絵手本にみる「略画」─北斎の絵画教育者としての一側面─ 日野原健司
葛飾北斎と初期門人たち─享和・文化・文政期に焦点を絞って─
オランダ国立民族学博物館 マティー・フォラー
白楽天来日の伝説とその変容『白楽天』を中心に 張小鋼
【画 譜】
円山四条派画譜の目的 (元)英国リーズ大学 エリス・ティニオス
『賞春芳帖』と岩垣龍渓主催松蘿館詩社 伊藤紫織
上田公長『公長画譜』について 岩佐伸一
【草双紙】
赤本〔花ういらう〕について—市川宗家の「外郎売」との関連を中心に— 齊藤千恵
草双紙の絵—異本『〔周防内侍〕』図版・翻刻— 檜山裕子
山東京伝『御存商売物』における言葉とイメージ
ルーマニア D・カンテミル・キリスト教大学 アンジェラ・ドラガン
絵本研究の展望—あとがきに代えて— 浅野秀剛
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