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国宝 蟹満寺釈迦如来坐像-古代大型金銅仏を読み解く- (こくほう かにまんじしゃかにょらいざぞう)

三船温尚・奥健夫編

本体25,000円+税

初版発行:2011年12月15日 A4判・上製・貼函入・248頁 ISBN 978-4-8406-2083-3 C3071


なぞの金銅仏はいつ、どうやって造られたか
約700点の図版収録!
薬師寺像との先後関係など、仏教美術史に再検討を促す!
彫刻史上の傑作のなぞに迫る!
白鳳から天平にかかる数少ない古代大型金銅仏

【内容説明】仏教美術史、鋳造技術史、金属材料学、考古学、年代測定、3次元レーザー計測、蛍光X線成分分析などなど、多角的に調査!

●本像は、薬師寺金堂像とともに仏教美術史上の重要な古代金銅仏で、国宝に指定された傑作。
●手がかりが無いために研究がほとんどされていなかった、謎多き古代仏。
●仏教美術史、鋳造技術史、金属材料学、考古学、年代測定、3次元レーザー計測など、多角的な調査で徹底調査。
●カラー図版約300点(56頁)を含め、約700点もの図表や、数値データ、観察記録など、今後の調査に資する基礎データを提供。
●3次元レーザー計測により、各所の肉厚の分布や、型持ち・鋳掛けなどを正確に確定し、わかりやすく図示。
●X線透過写真により、顔面の鋳掛けを確定。
●数多くの体内調査により、一鋳(一度の注湯で造る方法)であると確定。
●製作技法は分割型鋳造法か、?型鋳造法か、異なった専門家がそれぞれの調査結果をもとに考察。

Kaniman-ji Temple is Founded before the Nara period ,located in the Yamashiro area of Kyoto prefecture, and known for its magnificent 2.5 metre bronze sculpture of Shaka Nyorai. This book is the record which investigated this Buddha statue on many sides.


【新聞紹介】
・2012年1月22日産経新聞
「謎の仏像、2度焼けた? 蟹満寺釈迦像 科学のメスで解明進む」

・2011年12月22日北日本新聞
「国宝仏像の研究書発刊 富山大の三船教授ら調査結果まとめる」

・2011年12月26日北日本新聞

「国宝仏像分割鋳造か 富山大三船教授が検証実験」


刊行の意義

  奥 健夫(文化庁)

 蟹満寺釈迦如来像は薬師寺金堂薬師三尊像とともに古代大型金銅仏の遺品としてよく知られた作例であり、現在127件を数える彫刻の国宝指定物件の一つとして、文字通り日本を代表する彫刻作品である。
 しかしながら本像に関する研究は決してこれまで多くない。それは本像が重要視されていないからではなく、本像を考える手掛かりが乏しいことによる。すなわち本像は蟹満寺に後世に移坐されたとされ、原所在地について諸説があり、その製作事情について確かなことはほとんど何もいえない状況にあった。然るに近年、蟹満寺境内発掘調査により本像が7世紀末頃に建てられた蟹満寺の本来の本尊であった可能性が提示され、それに関して反論も行われるなど議論が活発化している。 様式からいえばその製作年代は、7世紀後半から8世紀半ばまでの間とみられるが、その中のどこに置くかについては説が一定していない。 本像を論じようとするとき常に問題となるのは、本像とならぶ丈六金銅仏の遺品で、かつ像容が類似する薬師寺金堂薬師三尊像の中尊像との関係であり、この点についても薬師寺像より前に置く見方と、同像より遅れるとする見方が対立している。
 今回行われた鋳造技法を主とする調査研究ではこれらの点について考えるうえで大きな手掛かりを提供する知見がいくつか得られた。まず蟹満寺像の重量が薬師寺像よりはるかに軽い2172㎏であり、銅厚が体部の主な箇所で2~3㎝ほどと、非常に薄手に造られていることが挙げられる。鋳掛けにより顔立ちを修整していることが知られたのも注目すべき知見である。さらにいくつかの点から本像が?型ではなく土型で造られた可能性も示されるに至っている。調査結果の分析は慎重になされるべきであることはいうまでもないが、本像と薬師寺像との関係について従来の考え方に再考を促し、本像の美術史上の位置付けに大きく寄与するデータが得られている。そしてそれは日本彫刻史上、最大の問題の一つというべき薬師寺像論争の行方にも影響を与えるものとなろう。(本書「仏教美術史から見る調査意義」を抄録)

【目次】仏教美術史から見る調査意義(奥 健夫)
 考古学から見る調査意義(中島 正)
 鋳造技術史から見る調査意義(三船温尚)

Ⅰ部 資料編
 〔カラー図版〕 全56頁
 全体写真/蟹満寺 発掘写真/内部・金痕跡・中子写真
 3次元レーザー計測図/鋳掛け調査図
 〔モノクロ図版〕全80頁
 全体写真/外面部分写真/3次元レーザー計測図
 X線透過写真/蛍光X線成分分析/型持ち・亀裂調査図

Ⅱ部 研究編
 蟹満寺発掘調査からの検証(中島 正)
 仏教美術史からの検証(奥 健夫)
 3次元レーザー計測からの検証(嘉納和之・田畑徹也)
 X線透過写真からの検証(三船温尚・長柄毅一・篠田邦彦)
 蛍光X線分析装置による非破壊分析(長柄毅一)
 炭素14年代測定からの検証(吉田邦夫)
 像表面の金痕跡と右前腕内部観察からの検証(八坂寿史・梅村哲史・嶺川正則)
 鋳造技術調査からの検証(三船温尚・遠藤 透・釆?真澄・戸津圭之介)

まとめ(三船温尚・奥 健夫)

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