出版物
古典籍が語る—書物の文化史— (こてんせきがかたる しょもつのぶんかし)
本体3,600円+税
初版発行:2004年11月25日 A5判・上製・カバー装・304頁 ISBN 4-8406-0044-9 C0021
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【好評につき増刷】
国宝・重要文化財などの文化財指定に長年従事した古典籍調査の達人が本の見方を伝える
【内容説明】○古典籍調査を数多く行い、長年文化財指定に携わった著者がまとめた、本にこだわる本好きのための書物史。
○「なぜ古典籍は今日まで残ったのか?」「本の姿—装幀の違いにはどのような意味がこめられているか?」「古典籍に使われる紙—本文料紙から何がわかるか?」等々、古典籍に関わる諸事項を独自の切り口でポイントをおさえて語り尽くす生きた書誌学!
○古典籍調査の最重要ポイント「奥書」について40ページにわたり詳述。
○他書ではほとんど触れられなかった仏典・漢籍について実例をふまえ詳説した待望の入門書誕生。
○初学者にも読みやすく理解しやすいようにルビを多く付した。
○書名・人名・事項索引を付し利用の便に供した。
○カラー口絵4ページを付す。
○本書のお薦め先:歴史(古代・中世・近世史)・国文学(上代・中古・中世・近世文学)・仏教学・書物愛好家、古書店関係者、大学・公共図書館、博物館、美術館など。
〈著者略歴〉山本信吉(やまもと のぶよし)
国学院大学文学部史学科卒業、文化財保護委員会事務局美術工芸課書跡調査係勤務
文化庁文化財保護部主任文化財調査官、美術工芸課長、文化財監査官、奈良国立博物館長を歴任。
日本図書館協会選定図書
【目次】はじめに—古典籍はどのように伝わったか—
第一章 冷泉家時雨亭文庫に伝わった貴重書
1 藤原俊成筆本/2 藤原定家本/3 藤原定家の筆跡/4 定家自筆本の見方/5 冷泉家に伝わった天皇宸翰
第二章 古典籍が教える書誌学の話
一 本の姿の変遷の歴史
1 筆写本と印刷本/2 巻子装本/3 折本装本/4 粘葉装本/5 大和綴装本/6 綴葉装本/7 袋綴装本/8 紙捻綴本/9 本の数え方など
二 書 名—題名の書き方—
三 本文の書式—本作りのルール—
四 奥 書—誰がいつ何のために書いたのか—
1 本奥書/2 書写奥書/3 学術史料としての奥書/4 奥書から学ぶこと/5 校合奥書/6 伝来等に関する奥書/7 世相を伝えた奥書/8 奥書にみえる年齢意識/9 偽の奥書
五 伝領記—本の伝来—
1 本に書かれた筆者・所有者の名前/2 室町時代の古本屋/3 名筆切断の歴史/4 人にみせなかった貴重書/5 家を再興した文書
六 本文の料紙—本の姿と紙の変化—
七 本を書写する作法
第三章 調査が教える仏典の話
一 経蔵調査のことども
二 東寺宋版一切経の調査
三 宋版一切経にみえる日本僧の刊記
四 醍醐寺宋版一切経の調査
五 興福寺春日版板木の調査
第四章 中国・韓国からの貴重書の伝来
一 漢籍貴重書の伝来
二 宋版一切経
三 韓国古版経と古写経
あとがき
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