八木書店 出版物・古書目録

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出版物

在庫あり

尊経閣善本影印集成 第六輯 古代説話(全6冊) (そんけいかくぜんぽんえいいんしゅうせいこだいせつわ)

第40冊 日本霊異記 本体18,000円
 解説 吉岡眞之・訓点解説 沖森卓也(第1回配本2007.3)
第41冊 本体26,000円(第2回配本2007.10)
 三宝絵 解説 田島公・訓点解説 宮澤俊雅
 日本往生極楽記 解説 石上英一・訓点解説 沖森卓也
第42冊 新猿楽記 本体25,000円
 解説 石上英一・訓点解説 山本真吾(第6回配本2010.6)
第43冊 三宝感応要略録 本体26,000円
 解説 田島公(第4回配本2008.6)
第44冊 江談抄 本体21,000円
 解説 吉岡眞之・訓点解説 山本真吾(第5回配本2008.8)
第45冊 中外抄 本体22,000円
 解説 橋本義彦・菊池紳一(第3回配本2008.1)

前田育徳会尊経閣文庫編

本体138,000円+税

初版発行:2007年3月15日 B5判・上製・貼函入・総1,456頁、平均243頁 ISBN 978-4-8406-2296-7 C3321



最高峰の古典文庫から至宝の蔵書を精選!

【内容説明】〔書誌解説〕石上英一(東京大学史料編纂所教授)・菊池紳一(前田育徳会常任理事)・田島公(東京大学史料編纂所教授)・橋本義彦(前田育徳会理事)・吉岡眞之(国立歴史民俗博物館教授)

〔訓点・訓読解説〕沖森卓也(立教大学教授)・宮澤俊雅(北海道大学名誉教授)・山本真吾(白百合女子大学教授)

「日本霊異記」仁和寺心蓮院本 一冊〔巻下〕 嘉禎二年写(重要文化財)
「三宝絵」真字本(醍醐寺蔵本の写し) 三冊 正徳五年写
「日本往生極楽記」 一冊 鎌倉前期写(重要文化財)
「新猿楽記」 三種各一巻〔弘安本・古鈔本・康永本〕(重要文化財)
「三宝感応要略録」 高山寺本 三冊 寿永三年写(重要文化財)
「江談抄」一巻 寛元三年写(重要文化財)
「中外抄」一巻〔下巻 久安四年記〕 建暦二年写(重要文化財)

【目次】日本霊異記〔嘉禎二年写〈重文〉〕
 正式書名は『日本国現報善悪霊異記』。弘仁年間(八一〇—八二四)に薬師寺の僧景戒が編纂したわが国最初の仏教説話集。後世の説話文学の嚆矢として著名である。尊経閣文庫本は下巻のみの零本。嘉禎二年(一二三六)書写の古写本として貴重であり、諸本が欠いている巻下序文の首部を存する点も価値は高い。前半と後半では体裁の相違があることも本書の特徴である。

三宝絵〔正徳五年写(醍醐寺蔵本の写)〈重文〉〕
 出家した尊子内親王のための仏教入門書として源為憲が編纂し奉呈した仏教説話集で永観二年(九八四)成立。仏法僧の三宝を三巻に編成し平易に解説している。後に『三宝絵詞』とも呼ばれる。説話文学史上、『日本霊異記』と『今昔物語』を架橋する位置を占めるものと評価される。本書を書写させた前田綱紀の跋文によれば、本書は、寛喜二年(一二三〇)三月、四月の僧叡賢の書写奥書を有する醍醐寺釈迦院前大僧正有雅の所持本を正徳五年(一七一五)六月に模写した。僧叡賢奥書本は現在所在不明で、尊経閣文庫本はその忠実な写本として貴重である。

日本往生極楽記〔鎌倉前期写〈重文〉〕
 平安時代中期に慶滋保胤が編纂した仏教伝記。わが国異相往生者四十五人の伝を収める。往生伝の先駆として、後に編纂された往生伝に影響を与えた。寛和二年(九八六)以前にひとまず成立し、その後、永延年間(九八七—九八九)以降間もなく現在の形になったと考えられる。典拠とした文献は『日本書紀』などの正史、『聖徳太子伝暦』『三宝絵』などの伝記類であり、ほかに古老からの伝聞によるものも少なくない。尊経閣文庫本は鎌倉時代前期の写本で称名寺の学僧湛睿の手沢本であり、天理図書館所蔵の鎌倉時代書写本と双璧をなす。

新猿楽記〔三種各一冊 弘安本・古鈔本・康永本〈重文〉〕
 平安時代後期に藤原明衡が著わしたもので往来物の祖とされる。都で流行していた猿楽の種々相やその名人について記述するとともに、見物人の熱狂振りを描く等、当時の社会生活を知る貴重な史料。尊経閣文庫の三種はいずれも重文。「弘安本」は弘安三年(一二八〇)の奥書を有する金沢文庫旧蔵本であり現存最古の写本。紙背に『和漢朗詠集』巻上が抄出されている。他に康永三年(一三四四)書写本と、首尾完存する鎌倉書写の古鈔本二種がある。

三宝感応要略録 高山寺本三冊 寿永三年写〔重要文化財〕
 日本の説話文学に多大な影響を与えた中国の仏教説話集
中国(遼)の僧非濁が撰した仏教説話集。「感応」すなわち信仰の真心が仏に通じて利益があることを記した霊験譚を、仏・法・僧の「三宝」にジャンル分けし、その「要略」(あらまし・概要)を記したもの。末世の人々を仏教信仰に導くために『冥報記』『西域記』『唐高僧伝』『瑞応伝』など中国の先行諸書から合計一六四の感応説話を適宜抄出・収集し、三宝の霊験を説いている。
 本書は中国大陸では早くに失われたが、非濁の没後ほどなく日本に伝えられたものが幸いにも遺り、『今昔物語集』をはじめ、多くの仏教説話集・唱導集などに引用されるなど広範に受容された。院政期以降の仏教文学・説話文学に与えた影響は極めて大きく、手軽な天竺震旦仏教説話集として重用された。
 尊経閣文庫本は高山寺旧蔵本で、巻下には「寿永三年(一一八四)二月廿三日於東塔北谷西松井房午時許書写了」の書写奥書があり、平安時代末期の貴重な古写本である。

江談抄〔寛元三年写〈重文〉〕
 大江匡房が語る故実、神事・仏事等々、談話集の嚆矢!
 は博学な公卿として著名な大江匡房(一〇四一~一一一一)が語る公事・故実等の言談を、蔵人藤原実兼が筆録したとされる談話集。「江」「談」の偏をとって『水言鈔』とも題され、その写本は古本系と類聚本系に大別される。
 尊経閣本は古本系であり、実兼の孫、醍醐寺座主勝賢が所持していた醍醐寺本の系統と考えられている。延応二年(一二四〇)具注暦の紙背に記されており、寛元三年(一二四五)の奥書を有する重要な古写本である。後世に改編された類聚本に対して、筆録言談の本来の体裁を存しているといわれる。

中外抄〔建暦二年写〈重文〉〕
 儀式・神事・仏事等々、多岐にわたる談話の聞書!
 藤原忠実の談話を中原師元が筆録した聞書で、保延三年(一一三七)から久寿元年(一一五四)の間に聴取したもの。朝廷や摂関家の儀式・神事・仏事など、多方面の故実について記述しており、また「語りの場」の状況を伝える点でも注目されている。『久安四年記』として伝わった尊経閣文庫本は、二巻からなる『中外抄』の下巻にあたり、下巻としては唯一の貴重な伝本。建暦二年(一二一二)の書写奥書を有し、紙背には藤原秀康消息等二十五通がある。
 なお本冊には附録として、宮内庁京都御所東山御文庫所蔵『富家語抜書』(『中外抄』上巻の抜書)と宮内庁書陵部所蔵柳原本『中外抄』上巻の影印を掲載し、利用の便に供した。


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