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尊経閣善本影印集成38 類聚三代格2〔第五輯 古代法制史料〕
在庫あり

尊経閣善本影印集成38 類聚三代格2〔第五輯 古代法制史料〕 (そんけいかくぜんぽんえいいんしゅうせいるいじゅさんだいきゃく)

【所収書目】
「類聚三代格」 二十一巻 享禄本

前田育徳会尊経閣文庫編

本体33,000円+税

初版発行:2005年8月31日 A4判横本・上製・函入・384頁 ISBN 4-8406-2338-4 C3321



最高峰の古典文庫から至宝の蔵書を精選!

【内容説明】第五輯 古代法制史料
国立歴史民俗博物館教授 吉岡眞之
 日本古代史の研究は「律令格式」を中心とする法制史料の分析・研究を抜きにしては成り立ちがたい。それは主として古代史料の残存状態が法・政治の分野に偏しているという事情によるものであり、古代社会の構造や経済活動の実態を解明するに当たっても法規定の内容分析が不可欠の回路とならざるをえないのである。
 日本古代法の基本は、七世紀後半以降、中国に学んで制定された「律令」であるが、社会の変化とともに「律令」の規定を修正する「格」がしきりに公布され、また基本方針を規定するにとどまる「律令」の施行細則として「式」が整備されていくことになる。それらは九世紀から一〇世紀にかけて「弘仁格式」「貞観格式」「延喜格式」としてまとめられ、また律令官人の交替手続きを規定した『延暦交替式』『貞観交替式』『延喜交替式』もほぼ同時期に編纂されている。このうち「格」は一一世紀に『類聚三代格』として再編・統合されて政務に必携の書として利用され、さらに平安時代後期にかけては『政事要略』『法曹類林』などの浩澣な政務参考書も編纂されている。これらの史料は現在、『弘仁格』の目録である『弘仁格抄』、『類聚三代格』の一部、『弘仁式』の一部、『延喜式』、『延暦交替式』、『貞観交替式』下巻、『延喜交替式』、『政事要略』の一部、『法曹類林』の一部が伝わっており、いずれも「新訂増補国史大系」に収められて広く利用されている。
 日本古代史の実証的研究は第二次大戦後に急速に発展し、多くの研究成果が公表されたが、近年はそれに対する詳細な批判的再検討が進められており、その過程で史料への厳しい目が注がれるようになってきた。このような動向は必然的に良質の史料への欲求を拡大させ、新たに校訂を加えたテキストを作成し、あるいは重要な写本を影印によって刊行するなどの企てが各方面で行われている。このような研究の動向の中で影印刊行される尊経閣文庫所蔵の『類聚三代格』『貞観交替式』『延喜交替式』『政事要略』『法曹類林』はいずれも古代法制史料を代表する重要史料であるとともに、その最も良質な写本としての地位を占めている。これの刊行は、優れた校訂によって高い評価を得ている「新訂増補国史大系」本の再検討を通じて新たな研究成果を生み出す契機となるであろう。

【目次】『類聚三代格』
平安時代に編纂された法令集。九~一○世紀に編纂された『弘仁格』『貞観格』『延喜格』は官司別分類の法令集であったが、本書は三代の格を神社事・国分寺事などの事項別に再編成したものである。編者は不詳であるが、長保四年(一〇〇二)から寛治三年(一〇八九)の間に編纂されたと推定されている。『弘仁格』の目録の『弘仁格抄』を除いて、三代の格の写本は伝わらない。
 『類聚三代格』は三代の格の内容を伝える貴重な法令集である。十二巻本と二十巻本がある。尊経閣文庫本は、前田綱紀が三条西家から入手した写本であり、十二巻本系と二十巻本系の巻からなる。明治時代に二一巻に編成されている。巻一後半・巻四・巻七・巻十は、享禄年間に三条西公条が大永年間の具注暦の裏を反して伏見宮本を書写したもので、「享禄本」と称されている。また、尊経閣文庫には、三代格復原研究の重要史料とされ収集当時の状況を伝える「巻子本類聚三代格調書」がある。
【所収書目】
「交替式」 室町後期写 一冊
「法曹類林」 嘉元二年写 巻一九七残巻(重要文化財) 一巻
「政事要略」鎌倉初期写(重要文化財) 三巻
「類聚三代格」 二十一巻 享禄本


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