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中世時衆史の研究
在庫あり

中世時衆史の研究 (ちゅうせいじしゅうしのけんきゅう)

小野澤眞著

キーワード:
時衆史 / 遊行 / 顕密体制論 / 日本仏教史 / 時衆絵巻原本 / 時宗 / 一遍聖絵 / 中世 / 宗教史

本体17,000円+税

初版発行:2012年6月27日 A5判・上製・函入・806頁 ISBN 978-4-8406-2090-1 C3021



時衆の成立から衰退にいたる過程を概観
時衆の成立と中世社会における機能と浸透過程を明らかに

【内容説明】時衆について、その成立から衰退にいたる過程を概観した論集は現在まで無い。時衆の成立と中世社会における機能と浸透過程・形態、教勢の消長と背景を日本全国を廻って検証し、日本仏教の庶民信仰化と地方展開の中の時衆を意義づける。気鋭の著者が、時衆史研究の新たな地平を拓く。
時衆研究における課題、すなわち第一部で、①「時衆」の科学的定義、②中世社会における時衆の機能を、③時衆が浸透する過程・形態を第二部全章で、④時衆の教勢の消長とその背景を第三部第三章で、⑤時衆が仏教伝播にはたした役割りを第三部全章で、それぞれ検証した。
 これらによって、日本仏教の庶民信仰化と地方展開、および基層文化の形成における中軸として時衆を意義づけることを試み、本稿の最終目的である歴史における人間・社会・政治権力と宗教との関係の一端を究明したものである。
 著者が全国を踏査し、史料採訪を繰り返し行った成果の結晶。特に第三部第二章の「時衆絵巻原本・模本・粉本一覧」は、圧巻。


【著者紹介】
國學院大學大学院博士前期課程を修了し、研究所専任研究員、高校非常勤講師、大学非常勤講師、国立博物館リサーチアシスタントなどを経験。
2009年、東北大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。2010年、同大学から博士(文学)を授与される。
2002年より武蔵野女子大学(現武蔵野大学)仏教文化研究所非常勤研究員、2011年より東北大学大学院文学研究科専門研究員を併任、現在にいたる。

【目次】序章 時衆研究を行うにあたって—意義、環境、そして課題—

第一部 時衆とは何か
 第一章 時衆の定義
 第二章 時衆史の再構成
 第三章 一向俊聖教団の研究史の回顧と展望

第二部 時衆の展開
 第一章 四条時衆の展開—摂津・河内・和泉国の事例から—
 第二章 霊山時衆の展開—山城国の事例から—
 第三章 善光寺聖の展開—信濃国を中心とする諸国の事例から—
 第四章 藤沢時衆の展開—常陸国の事例から—
 第五章 一向俊聖教団の展開—出羽国の事例から—

第三部 中世社会にはたした時衆の意義—「一向衆」から「時衆」へ—
 第一章 中世における「悪」—「新仏教」成立の基層—
 第二章 一遍智真による時衆構築と他阿真教によるその変容
 第三章 中世仏教の全体像—時衆研究の視点から—
附章 近世・近現代時宗と国家権力—時宗における国家観・天皇観—

終章 

あとがき
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