出版物
遣隋使がみた風景—東アジアからの新視点— (けんずいしがみたふうけい ひがしあじあからのしんしてん)
本体3,800円+税
初版発行:2012年2月10日 A5判・上製・カバー装・450頁・カラー口絵8頁 ISBN 978-4-8406-2035-2 C3020
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各紙絶賛紹介!
1400年前の遣隋使を徹底検証!
統一王朝・隋に派遣した古代日本・朝鮮半島の事情とは?
国際環境や政治から風俗まで、図版を収録し紹介
【内容説明】今から1400年前の7世紀はじめ、厩戸皇子(聖徳太子)や推古天皇、蘇我馬子が活躍した飛鳥時代。古代日本(倭国)や朝鮮は中国の統一王朝・隋に使節を派遣した。
古代国家が形成されていく激動の時代、隋へ使者が派遣された事情とは? 従来の倭を中心とした視点ではなく、東アジアから再検討。文献史学・考古学の専門家が結集。史料集や図版集など、付録も充実。
【遣隋使の風景—「東アジアの遣隋使」像を目指して—】
明治大学教授 氣賀澤保規
四周を海に囲まれた島国日本において、歴史上はじめて主体的な発想と確かな見通しをもって行った外交活動が、推古朝、厩戸皇子(聖徳太子)のもとでの遣隋使であった。
遣隋使の名は、607年の小野妹子の遣使、「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」の国書でよく知られている。だがこれに先立つ600年、隋の都・大興城(後の長安)に足を踏み入れた最初の遣使があった。彼等がそこで見たものは、圧倒的な国力と整備された国家の仕組み、そして先進の文化であり、彼等が伝えた最新情報が厩戸皇子の国造りの指針になった。
本書は、こうした使者の目線を意識し、隋の国情にも踏み込み、従来の倭(日本)を基軸とした遣隋使ではない、新たな東アジアの遣隋使像を明らかにする。
【遣隋使にまつわる様々な謎を解明】
●遣隋使はなぜ派遣されたのか?
●隋の国情は?
●朝鮮半島から隋・日本への遣使、アジア諸国の遣隋使の実態は?
●古代日本の遣隋使の目的と回数は?
●厩戸皇子(聖徳太子)・推古天皇・蘇我馬子ら当時の国内状況は?
●小野妹子が紛失した国書とは?
●遣隋使がもたらした文物とは?
●聖徳太子や蘇我馬子ら倭人・隋人の風俗(衣服・習慣)を徹底再現!
●史料集・地図・年表など、充実の付録満載!
【各紙絶賛!】
「図版や写真も豊富なうえ、かなり厚い付録がついて親切な読み物」「各論も平たく書かれていて随分とわかりやすい」(『読売新聞』2012年5月6日書評面、杉山正明先生書評)
「素人を歴史の世界にいざなおうとうする熱意を感じる」(『毎日新聞』2012年5月13日書評面)
「謎に挑戦」(『千葉日報』2012年4月24日、『信濃毎日新聞』2012年5月13日)
「遣隋使について日本史的関心にとらわれない、中国史や朝鮮史をもクロスオーバーさせた視点を設定したことに加え、それに関する豊富な資料が不才」(『史学雑誌』121-9、2012年、永井瑞枝氏執筆)
【目次】カラー口絵
序章 東アジアからみた遣隋使−概説と課題(氣賀澤保規)
第Ⅰ部 遣隋使と国際関係
1『隋書』倭国伝からみた遣隋使(氣賀澤保規)
2東アジアの国際関係と遣隋使(金子修一)
3朝鮮からみた遣隋使(田中俊明)
4アジア交流史からみた遣隋使−煬帝の二度の国際フェスティバルの狭間で(氣賀澤保規)
第Ⅱ部 遣隋使とその時代の諸相
1推古朝と遣隋使(吉村武彦)
2遣隋使の国書(川本芳昭)
3遣隋使と飛鳥の諸宮(林部 均)
4遣隋使の「致書」国書と仏教(河内春人)
第Ⅲ部 倭人と隋人がみた風景
1倭人がみた隋の風景(氣賀澤保規)
2隋人がみた倭の風景(鐘江宏之)
3遣隋使のもたらした文物(池田 温)
終章 遣隋使の新たな地平へ−おわりに寄せて(氣賀澤保規)
付 録
遣隋使史料集
1隋書倭国伝・2日本書紀・3その他
人物略伝
1隋編・2倭国編
地図・官制図
年 表
隋代史関係年表
隋代各国遣使年表
参考文献
【コラム】遣隋使−新聞記者が答えるQ&A(岡本公樹)
図版一覧
執筆者紹介
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