出版物
藤原宮木簡三 (ふじわらきゅうもっかん3)
本体19,000円+税
初版発行:2012年4月20日 B4判・74プレート+別冊解説 ISBN 978-4-8406-2087-1 C3321
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藤原宮跡の東面北門付近より出土した木簡六一一点を原寸大で高精細影印!
詳密な解説・釈文を付す
【内容説明】●大宝律令成立前後の律令国家成立史を考える上で極めて重要な意味をもつ史料群!
●古代研究に必備の基本史料!
【限定二〇〇部】
収録木簡の概要と特色
藤原宮跡から出土した木簡の四分の一にあたる約4,000 点が、東面北門(山やま部べ 門もん)周辺から見つかっている。そのほとんどは、宮を取り囲む大垣に沿って掘られた外濠ないし内濠に廃棄されたものであり、宮内省・中務省とその被管官司にかかわる木簡が多く、文書木簡や、王家との深い関連が見て取れる記載に富む。
本書に掲載した木簡のうち、ひときわ眼を惹く一群は、豊かな食材の付つけ ふだ札である。鮑(アワビ)、宇邇(ウニ)、黒多比(クロダイ)、須ゝ吉(スズキ)、フナの醢(ししびしお)(塩辛ないし粕漬けの類)、多比(タイ)や佐米(サメ)の楚すわやり割(魚を細長く切って干したもの)などがみえ、いずれも概して丁寧に造られている。恐らくは贄にえとして貢納された物品のラベルであり、天皇かあるいはそれに限りなく近い人物の食生活の実態が窺われる史料といえよう。また、「銀銭□文」と読めるのではないかと推測した木簡は、銀銭の宮内での出納を示すはじめての史料となる可能性をはらんでいる。
藤原宮木簡は、大宝律令の完成(701年)とともに新しい段階へと進んだ日本の古代国家の歩みを伝える同時代の記述であり、はかりしれない価値を有している。古代史研究の新たな地平を拓く史料群として、大いに期待されるものであろう。
【目次】【別冊解説目次】
総 説
第一章 序言
第二章 木簡出土の遺構
一 各発掘調査の成果
二 木簡出土遺構
第三章 東面北門周辺の木簡と宮内省・中務省
付 章 樹種同定
釈 文
6AJA・6AJB・5AJB区
SD一七〇溝出土木簡
SD二三〇〇溝出土木簡
SK二八〇一土坑出土木簡
出土遺構不明木簡
索 引
英文要約
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