出版物
赤木文庫古浄瑠璃稀本集—影印と解題 (あかぎぶんここじょうるりきほんしゅう えいいんとかいだい)
本体19,223円+税
初版発行:1995年5月1日 A5判・上製・貼函入・656頁 ISBN 4-8406-9098-7 C3095
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上方浄瑠璃史の新たな展望!
【内容説明】横山重氏旧蔵の逸品を精緻に影印。詳細な解題を付す
語り・音曲・人形操りを融合した近世庶民芸能発展期の様相を精確に再現。義太夫節以前に成立した浄瑠璃節諸流派の総称としての古浄瑠璃は、活気ある舞台芸能として発展してきた。その語り・音曲・人形操りを融合した近世庶民芸能発展期の様相は、故横山重氏が終生にわたり捜索蒐集した赤木文庫貴重書コレクションの善本に残る。その豊かな挿絵と節章を精確に再現。収載書目全てについて書誌に止まらず、正本の成立や内容に関連した諸本等にも踏み込む詳細な解題を付す。影印416頁(2色刷70頁)・解題他240頁。活字では表現できない絵入り古浄瑠璃正本の様相を精確精細に再現、詳細な解題を通して上方浄瑠璃史の要説がなされるよう努めた。
<赤木文庫について>
故横山重氏が終生50年にわたり捜索蒐書した昭和時代を代表する個人の貴重書コレクション。内容は多岐に亙るが、中でも室町時代物語と古浄瑠璃・説経節の二分野は最も充実したものであった。その柱の一つ、古浄瑠璃正本の稀覯書96点が、昭和59年に大阪大学附属図書館の収蔵するところとなった。
古浄瑠璃について
義太夫節以前に成立した浄瑠璃節諸流派の総称。三味線・人形操りと結びつき活気ある舞台芸能として発展し、人気を博した近世前期の庶民芸能。
正本について
浄瑠璃の詞章に節付けを施した版本。太夫がその内容に誤りのないことを証した奥書があることを通例とする。
【目次】とうだいき(丹緑本・寛永十年 左内—若狭守藤原吉次正本カ) 大橋正叔
たむら(丹緑本・慶安三年 伊勢嶋宮内正本) 秋本鈴史
みはら物語(万治二年 太夫不明) 時松孝文
頼義金剛山合戦并ひやうぶ物語(寛文三年 大和少掾〔井上播磨掾〕正本) 秋本鈴史
一心二かびやく道(寛文十三年 出羽掾藤原信勝正本) 阪口弘之
松浦五郎景近(延宝六年 清水利太夫〔竹本義太夫〕正本) 信多純一
動稚高麗責(山本土佐掾〔山本角太夫〕正本) 時松孝文
大がらん宝物鏡(松本治太夫正本) 林久美子
床本『つれづれ草』(編者架蔵 宇治加賀掾床本) 大橋正叔
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