八木書店 出版物・古書目録

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出版物

品切・重版未定

歌舞伎文化の享受と展開—観客と劇場の内外— (かぶきぶんかのきょうじゅとてんかい)

神楽岡幼子著

本体12,000円+税

初版発行:2002年7月23日 A5判・上製・カバー装・464頁 ISBN 4-8406-9636-5 C3395



江戸時代の客席へタイムスリップ!

【内容説明】《日本図書館協会選定図書》
従来、近世歌舞伎研究において、最も必要とされながらも、立ち後れていた歌舞伎の観客論を、初めて具体的文献資料をもとに構築した気鋭の論文集。散在する先達の研究を手がかりに、新たに資料の読み直しをはかり、歌舞伎がいかに広範な影響を与えたその実体を示す。単なる観客論の域を超え、江戸期庶民文化の中核となった実体を論証。具体的には、役者絵をはじめとする錦絵、大手笹瀬連をなどの活動の実体。中村歌右衛門の贔屓連の活動など。

●新しい観客論の試み
 江戸時代の歌舞伎の観客が歌舞伎から派生する歌舞伎文化を享受し、その観客が主体となって新たな歌舞伎文化を作り上げていく現象やその問題点を捉える。

●新視点による論究
 歌舞伎界の行事に参加し、劇場外でも歌舞伎を後援し、歌舞伎を楽しむ観客や、贔屓の役者に対する後援活動など、一種のサークル活動としての文化的成果、さらには歌舞伎の影響を受け、歌舞伎を楽しむために観客が手にとった出版物等に着目、新視点による最新の研究成果。

●歌舞伎と観客の具体的な交流
 歌舞伎の影響のもとに生み出された資料を幅広く探ることで、様々な形に展開していく歌舞伎文化の諸相を照らし出し、歌舞伎と観客の具体的な交流を描き出す。

●江戸時代へタイムスリップ
 江戸時代の歌舞伎の観客席に紛れ込み、当時の観客と一緒に歌舞伎を楽しめる。

●巻末附録
 三代目中村歌右衛門の書簡七通、未紹介の草双紙『苅萱桑門』、『国性爺合戦』の影印に解題を付して収録。

【目次】第一章 歌舞伎の観客と贔屓
一 贔屓と観客/二 安永期の贔屓連中/三 手打の復活
第二章 三代目中村歌右衛門の周辺
一 関大本『許多脚色帖』の成立/二 『芝翫帖』の成立とその周辺/三 歌右衛門贔屓と出版/四 歌右衛門贔屓の戯画摺物/五 歌右衛門贔屓の貼込帖/六 『芝翫年代記大成』考
第三章 歌舞伎文化の展開
一 青本と浄瑠璃絵尽/二 『鐘入七人化粧』小考─菊之丞と富十郎─/三 『諸道聴耳世間猿』の挿絵/四 『諸道聴耳世間猿』と歌舞伎/五 「碁太平記白石噺」の上演形態について/六 江戸歌舞伎絵本番付考─安永期における展開─/七 役者評判記の挿絵─安永期の場合─
第四章 資料と解題
一 三代目中村歌右衛門の書簡/二 関西大学図書館所蔵の初期草双紙について/付一 影印・赤本『(苅萱桑門)』/付二 影印・黒本『(国性爺合戦)』


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