八木書店 出版物・古書目録

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出版物

近世芸能の胎動
在庫あり

近世芸能の胎動 (きんせいげいのうのたいどう)

山路興造著

本体9,800円+税

初版発行:2010年6月30日 A5判・上製・カバー装・426頁 ISBN 978-4-8406-9674-6 C3021



江戸時代の庶民に愛された諸芸能のルーツは、何か?
それらは、いかなる変遷を経て、歌舞伎・浄瑠璃など現在に通じる近世芸能が誕生したのか?!

【内容説明】■中世から近世初頭の混乱期における古記録・絵画資料に記された様々な芸能関連記事を丹念に読み解き、中世民俗芸能が江戸時代に華開く歌舞伎や人形浄瑠璃に、どのように取り込まれたかを解き明かす。
■舞と踊りの系譜を検証することにより、初期歌舞伎の誕生は、「やゝこ踊り」から出発する「かぶき踊り」が、「風流踊り」の舞台化であることを証明した。
■この時期に発生した雑芸のうち、初期歌舞伎に取り上げられ舞台芸能として成長する「鐘引き」「新発意太鼓」と、舞台に上がらないまま近世初期まで残る「舞々」「八丁鉦」などの実態を解明。
■操り浄瑠璃成立以前の人形戯が、技術系芸能の特質と大陸からの影響から三段階に分かれることを指摘し、古代から繋がる傀儡芸としての従来の説に新見解を示すほか、操り浄瑠璃の成立時期を人形戯と浄瑠璃語りと三味線の結び付きの時期を下らせるなど、画期的な論考を収める。

本書に引用される主な古記録(太字は、小社刊行書)
 御湯殿の上の日記・兼見卿記・管見記・看聞日記・後法興院記・実隆公記・舜旧記・資勝卿記・大乗院寺社雑事記・多聞院日記・親長卿記・親俊日記・言緒卿記・言継卿記・言経卿記・教言卿記・晴豊公記・政基公旅引付・満済准后日記・泰重卿記・康富記・時慶卿記・鹿苑日録

【目次】助六の尺八—中世と近世の間で—(新稿)
助六劇のルーツ・遊客と尺八・尺八のルーツ

風流踊りからかぶき踊りへ

 舞と踊りの系譜
舞と踊りと・女かぶき踊り
 風流踊り
応永期の風流・拍子物の芸態・風流踊りの登場・奈良と京都の風流踊り・風流踊りの芸態

歌舞伎成立前後
 やゝこ踊り
やゝこ踊りの登場・地方の女かぶき・京都でのやゝこ踊り・やゝこ踊りからかぶき踊りへ
 手猿楽狂言と初期かぶき狂言
   —若衆狂言の系譜—
稚児・若衆の芸能と狂言・狂言の自由性・室町時代後期の狂言・初期かぶきと狂言・かぶき狂言の誕生
 初期かぶき狂言「鐘引き」考
「引く」という行為・釣鐘の鋳造と「鐘引き」・雑芸を主眼とする狂言・地方に残る「鐘引き」狂言
 「新発意太鼓」考
中村座の家狂言・大道芸としての「新発意太鼓」・「新発意太鼓」の絵画資料・初期かぶき狂言「新発意太鼓」
 初期歌舞伎の周辺
   —阿国と同時代の芸能者たち—
狂言・能・あやつり・舞々
 初期かぶき踊り歌の構成
  付 大分県臼杵市東神野の風流踊り歌謡
風流踊りとかぶき踊り・かぶき踊り歌の構成(綾
子舞・忍びおどり・天理本「おどり」)・かぶき踊り歌の検討(出端歌・中踊りの小歌・囃子・引端・さしと本歌)かぶき踊り以前・大分県の風流踊り

操り浄瑠璃成立まで 操り浄瑠璃成立以前の傀儡芸
渡来芸能としての人形戯・職能者としての「くぐつ」・宇佐八幡宮放生会の傀儡・甲府市小瀬市の傀儡田楽・中世後期の「手くぐつ」の人形操法・「ゑびすかき」の登場
 操り浄瑠璃成立前後
従来の説・浄瑠璃語りと人形遣・操り浄瑠璃の成立・初期の操り浄瑠璃・能を演じた傀儡子・操り浄瑠璃以前・アヤツリの興行

近世初期芸能の周辺
 八丁鉦考(新稿)
八丁鉦の登場・八丁鉦の画証
 櫓銭のこと
櫓銭の実態・櫓銭徴収の範囲・櫓銭の源流
 女曲舞の系譜(新稿)
道の曲舞・新たなる曲舞座の登場・女曲舞のスターたち・女曲舞(女舞)の再生・女芸の興行禁止と女曲舞
 舞々考—地方の舞々を中心に—
京都の声聞師・曲舞から舞々へ・諸国「舞々」の実像(越前—幸若舞の成立・近江の舞々—散所の舞々・戦国武将と舞々・加賀・能登の舞々・薩摩・肥後・日向の舞々・土佐の舞々・相模の舞々・三河の舞々
収録論文解説
〔執筆時から現在の研究状況に至る略解説〕


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