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与謝野寛晶子論考―寛の才気・晶子の天分― (よさのひろしあきころんこう)

太田登著

キーワード:
啄木 / 近代文学 / 和歌 / 女性史 / 大正デモクラシー / 窪田空穂 / ジェンダー / 短歌

本体3,800円+税

初版発行:2013年5月29日 A5判・上製・カバー装・280頁 ISBN 978-4-8406-9688-3


屹立する近代女性表現者と稀代のプロデューサー、その知られざる絆の秘奥に迫る!
新たな切り口で臨む与謝野研究の道標!

【内容説明】◆従来の晶子研究に見落とされがちであった寛(鉄幹)の具体的な役割を再検証。
「鉄幹が晶子の天才を得たことは美神の恩寵であろう、そして鉄幹がいなければ晶子も存在しないだろう」(保田与重郎)という言葉に象徴される両者の関係を解き明かす。
◆晶子における平和思想、海外体験に裏付けられた鋭敏な国際性など、詩歌の天才という見方だけではとらえきれない女性表現者としての軌跡を丹念に考察。


■第Ⅰ部では、明治の短歌革新の旗手であった与謝野鉄幹が、晶子という女性歌人をどのようにして「明星」の歌姫として登場させたのか、そのたぐいのない編集者としての鉄幹の才気と、その才気によってみごとに開花した晶子の表現者としての天分との、〈相聞〉の内実を論証。
■第Ⅱ部では、晶子における思想形成の軌跡を、ヨーロッパ体験とアジア体験という視点によって検証しながら、インターナショナルな思考軸とナショナルな思考軸とがどのように晶子の平和思想や国際感覚を培養したのか、その世界と日本に向けられたまなざしの意味を考察。


相関的に複眼的に

作家・与謝野晶子倶楽部会長 難波利三

与謝野寛(鉄幹)と晶子との末娘である森藤子さんから、ある催しの席上で直接に「父のこともよろしくお願い致します」、と言われたことがある。娘としては、母が主であり父は従であるというような世間一般の見方に耐え難いものがあったに違いない。そうした晶子が主菜で寛は添え物のような扱いは、研究面でも大して変わらないようである。著者の太田さんとは与謝野晶子倶楽部での親交も深いが、「鉄幹あっての晶子」「堺の晶子から世界の晶子へ」が持論の研究者である。その太田さんが藤子さんの思いに応えるように、寛と晶子とが互いに琢磨しながら日本の近代文学史に輝かしい金字塔を築いた道筋を綿密に解明された。寛と晶子とを相関的複眼的にとらえるという与謝野研究は、本書によって大きく飛躍することが確信される。文学研究者はもとより思想史や女性史を学ぶ人びとにも広く推奨したい。

【目次】与謝野研究のための道標
Ⅰ編集者鉄幹と表現者晶子―才気と天分の恩寵―
 和歌革新の旗手鉄幹
 「明星」の女性歌人たちと鉄幹
 編集者鉄幹の才気―『東西南北』から『紫』へ―
 窪田空穂の文学的出発と鉄幹
   啄木誕生と鉄幹の存在
 歌集『相聞』の短歌史的意味
 近代女性表現者としての自立―〈かひなき女〉から〈われは女ぞ〉への飛躍―
 〈産む性〉の自覚と飛躍
Ⅱ異文化体験の反響―ナショナリズムとインターナショナリズムの衝撃―
 晶子における平和思想―「君死にたまふことなかれ」をめぐって―
 晶子における大正デモクラシー
 晶子における〈生きかた〉と〈暮らしかた〉の問題
 ヨーロッパ体験の意味―晶子における一九一九年―
 アジア体験の意味―晶子における一九二八年―
 晶子における国際性の意味
【コラム】啄木が見た与謝野家の内情/晶子の「水仙」の歌について/寛の立候補と晶子の選挙運動/関東大震災と晶子/大連の地に立つ晶子詩碑
与謝野寛・晶子年譜/初出一覧/索引

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