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幽斎源氏物語聞書 (ゆうさいげんじものがたりききがき)
発行:続群書類従完成会
続群書類従完成会発行
本体15,000円+税
初版発行:2006年8月 A5判・上製・函入・692頁 ISBN 4-7971-1701-X C3021
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源氏物語誕生1000年!
伝授された源氏物語の奥義と古注釈の享受過程を今に伝える!
【内容説明】○幽斎の多数の著作のうち『源氏物語』に書き入れられた注釈部分を翻刻し公刊!
○中院通勝が室町末期にまとめた源氏物語最大の注釈書『岷江入楚』の礎を築いた、幽斎の源氏物語研究の変遷を今に伝える!
○原本は熊本大学付属図書館寄託永青文庫蔵細川幽斎源氏物語。
○『紫明抄』『河海抄』『和秘抄』『花鳥余情』『弄花抄』などの古注釈からの引用の他、幽斎独自の注、三条西実隆・宗祇・紹巴・兼載・兼如らの説も見られる。
○利用の便をはかり、『源氏物語大成校異編』の頁・行数を示し『新編日本古典文学全集』の頁数を「集」として示した。また、事項索引を巻末に付した。
幽斎の書き入れには、幽斎が連歌師からの源氏物語講釈によってその解釈を学んだ極めて初期の段階のものと、天正期に九条稙通から伝授を受けると同時に、三条西家から借り出してその収集に努め、古注集成の志を抱いた幽斎の源氏学の中核をなすものが反映され、幽斎の生涯を通じて書き入れられていった。彼の源氏学は、やがて慶長三年(1598)成立の中院通勝の『岷江入楚』に引き継がれて完成する。『岷江入楚』が公のためのものであるならば、本書『幽斎源氏物語聞書』はその礎を築いた幽斎の私的な源氏物語研究の変遷を今に伝える貴重な資料といえよう。
細川幽斎〔藤孝〕(1534~1610)
安土桃山時代の武将。室町幕府十三代将軍足利義輝に仕え、その死後十五代将軍義昭を奉じて織田信長をたよった。豊臣秀吉・徳川家康にも重臣として遇せられ、丹後田辺城主となった。和歌・連歌をよくし、三条西実枝より『古今和歌集』の秘訣を受けて二条家歌学の正統を伝え、九条稙通より『源氏物語』の奥義を授けられた。また、茶道・料理・音曲・有職故実等に通じた当代一流の文化人でもあった。剃髪して幽斎玄旨と号した。
関ヶ原の合戦の際、田辺に籠城して西軍に包囲された幽斎を憂慮した八条宮智仁親王が開城を勧告し、後陽成天皇も古今秘事の伝統の絶えることを惜しみ、勅命をもって開城を命じたことは有名である。
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