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序曲 (じょきょく)
発行:日本近代文学館
昭和23年12月・全1冊
日本近代文学館
本体5,000円+税
初版発行:2004年9月 総170頁 ISBN 4-8406-8031-0 C3000
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【内容説明】「序曲」は河出書房の編集者であった杉森久英を中心に、戦後派作家の主力メンバーの結集をめざして出発し、編集同人として埴谷雄高、武田泰淳、中村真一郎、梅崎春生、野間宏、船山馨、寺田透、三島由紀夫、椎名麟三、島尾敏雄の十人を集め、歴史・背景を異にするそれぞれの作家がなんの制約もうけずに自由に仕事のできる舞台とされました。小説では、のちに再構成されていく武田の著名な「『愛』のかたち」をはじめ、昭和四十六年に完結する野間の「青年の環」の一齣「盛り場の店」、三島の「獅子」、島尾の「薬」が、詩では中村「実現」、寺田「八面通立秋」、戦時下の「構想」時代からのつながりを感じさせる埴谷「寂蓼」などが発表されました。司会の埴谷の奮戟にもかかわらず、ついに収捨のつかなくなった座談会「小説の表現について」にも戦後の文学状況のカオスが見られます。この戦後文学の成熟をめざす貴重な一里塚となった雑誌は発行所の都合などで一輯を出しただけで終ったため、きわめて入手が困難で、早くから複刻が要望されていたものです。
【目次】別冊解説 回想:埴谷雄高・寺田透・杉森久英・志村孝夫 解説:紅野敏郎
【主な執筆者】
梅崎春生 椎名麟三 島尾敏雄 武田泰淳 寺田透 中村真一郎 野間宏 埴谷雄高 船山馨 三島由紀夫
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