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出版物

徳田秋聲全集32 路傍の花
品切・重版未定

徳田秋聲全集32 路傍の花 (とくだしゅうせいぜんしゅう だい3き)

路傍の花(大正八年三月二十八日 新潮社刊)

編集委員 紅野敏郎・松本徹・宗像和重・田澤基久・紅野謙介・十文字隆行・小林修

本体9,800円+税

初版発行:2003年9月18日 A5判・上製・貼函入・262頁 ISBN 4-8406-9732-9 C0393



【内容説明】第6回配本第32巻 「路傍の花」

 本巻には、大正七年に「時事新報」に連載された『路傍の花』を収めました。本作は通俗小説の走りとして名高い久米正雄『螢草』の後を承けて連載されました。この久米の作品が新聞小説として異例の大成功をおさめ、さらに大正九年の菊池寛『真珠夫人』よって、通俗小説というジャンルが確立されたというのが文学史上の通説ですが、解説の宗像和重先生は、『真珠夫人』的通俗小説のの定型は、久米正雄の『螢草』よりもむしろ秋聲の『路傍の花』に求められるのでは、との見解を記しています。本作は通俗小説の発達史上において、『螢草』と『真珠夫人』を繋ぐ重要な位置にある作品といえます。
 通俗小説の役割とは純文学の領域をより広く社会に拡張させた事にありました。当時大衆芸術の代表といえば演劇が挙げられますが、『路傍の花』は花形の戯曲家であった亭々生(真山青果)の脚本により、連載中に明治座で上演されています。「時事新報」は舞台の梗概(解説に附載)や劇評を掲げたり、「観劇割引券」を付録にするなど、現在の新聞社と変わらぬ後押しをしており、興味が尽きません。
 また本巻の口絵には、真山青果が秋聲作品の戯曲化にあたって秋聲に相談した書簡の内『路傍の花』に関する一通・下段の書簡を掲載しました。これも当時の演劇と文学の関係性、さらには大衆芸術の可能性を考察する上でも貴重な資料といえます。


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