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徳田秋聲全集31 秘めたる恋・結婚まで
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徳田秋聲全集31 秘めたる恋・結婚まで (とくだしゅうせいぜんしゅう だい3き)

秘めたる恋(大正七年七月二十五日 新潮社刊)/結婚まで(大正九年一月十日 新潮社刊)

編集委員 紅野敏郎・松本徹・宗像和重・田澤基久・紅野謙介・十文字隆行・小林修

本体9,800円+税

初版発行:2003年7月18日 A5判・上製・貼函入・290頁 ISBN 4-8406-9731-0 C0393



【内容説明】第5回配本第31巻 「秘めたる恋・結婚まで」

 大正六年に「婦人公論」に連載された『秘めたる恋』と、翌七年に「婦人之友」に連載された『結婚まで』の二つの長篇を収めました。秋聲が婦人向け雑誌に本格的に通俗小説を発表し始める最初期の作品にあたります。大正四年に『あらくれ』『奔流』という二大長編を新聞紙上に発表し終えた秋聲は、長篇小説の主戦場を、この頃急速に市場を伸ばしていった婦人向け雑誌に移しました。「婦人公論」は創刊されたばかりで、秋聲は最も早く教育のある婦女子という新たな読者層に向けて作品を提供した作家と言えます。
 「婦人之友」は、秋聲がその創設者の一人である羽仁吉一と「読売新聞」時代に机を並べて仕事をしていた仲でもあり、深い関係がある雑誌です。秋聲は作品を発表するほかに、同誌の懸賞小説の選考委員も引き受け、新進の女性作家を世に出す手助けをしました。のちに自伝小説として名高い『光を追うて』が掲載されたのも「婦人之友」においてでした。
 秋聲は大正五年に長女の瑞子を疫痢で失っていまが、男女六人の子供を抱えていた秋聲にとって、婦人雑誌の担う子女教育の問題は大きな関心の一つであり、そこでの連載には一廉ならぬ思いがあったとも想像されます。この後、秋聲は両誌に多くの長篇小説を発表してゆくことになるのですが、その全貌が明らかになるのが、本全集第三期なのです。その作風の変化を追ってみるのも興味深いことです。


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