出版物
近世写本文化論—出雲国風土記を書写した人々—
本体10,000円+税
初版発行:2025年11月10日 A5判・上製・カバー装・578頁 ISBN 978-4-8406-2651-4 C3021
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本の書写は近世社会に何をもたらしたのか
『出雲国風土記』の写本約200冊を悉皆調査した著者が、全写本の系譜関係を明らかにする過程で、書写した人々が出雲・江戸・伊勢・京都・九州と広範囲に及ぶことに注目、書物が必要とされていた理由や、地域を越えて人と人とが文化的につながった背景を活写する
【内容説明】以下サイトで、髙橋周著『近世写本文化論—出雲国風土記を書写した人々—』(八木書店、2025年)に関連する、系統図・写本一覧・校異表を公開。
【特設サイト】髙橋周著『近世写本文化論—出雲国風土記を書写した人々—』系統図・写本一覧・校異表
https://company.books-yagi.co.jp/archives/11711
200冊におよぶ写本を悉皆調査
現存する『出雲国風土記』の写本(約200冊)を悉皆調査した上で、全ての写本間の系譜関係を明らかにし、研究史上初めて一体の系譜図として提示した。さらに、写本の書誌情報や各写本間の異同を示す校合表から、写本の位置づけを読者にも確認できるように示した。写本の系譜を一望できる系統図・写本一覧・校異表(約100点)は【特設サイト】髙橋周著『近世写本文化論—出雲国風土記を書写した人々—』系統図・写本一覧・校異表で公開
写本がつなぐ近世社会
近世社会における『出雲国風土記』の写本伝写の様相を明らかにし、出雲だけではなく、江戸、伊勢、京都、九州などに広がり、各地で書き写されたことを示した。写本を書写したのは、公家や文人大名、儒者、神職、国学者など身分を超えて多岐にわたり、それぞれの書写の背景を明らかにすることで、なぜ近世において『出雲国風土記』が必要とされたのか、解き明かしていく。さらに、写本のつながりが見えることで、人と人の文化的なつながりも明らかとなる。『出雲国風土記』は近世の人々にとって、単なる古代の一地域の地誌ではなかったことが分かる。
文献史学の史料論・近世史・思想史・文学史・アーカイブス学に寄与
写本間の関係や書写の背景を明らかにすることで、文献史学の史料論だけでなく、近世史、思想史、文学史、アーカイブス学あるいは各地域史に寄与する。
書き下ろしコラムで書写した人々の小伝を収録
各コラムでは「『出雲国風土記』を書写した人々」と題して、写本を書写した人の中で注目される人物の小伝と風土記の関わりを述べる。
【目次】はじめに—近世写本文化論—写本一覧序 章 『出雲国風土記』伝本研究の研究史と課題一 『出雲国風土記』伝本の概要/二 近世以来の先行研究と田中卓の研究/三 加藤義成による伝本の研究/四 先行研究に見る伝本の系譜関係/五 近年の『出雲国風土記』伝本の研究と課題/六 本書の目的と方法第一部 近世に伝写された『出雲国風土記』第一章 徳川家康から細川幽斎へ伝えられた写本の系統—細川家本系—はじめに/第一節 細川家本と倉野家本/第二節 細川家本・倉野家本と同系統の諸本/おわりに〔コラム1〕『出雲国風土記』を書写した人々①—遠江・内山真龍—第二章 徳川義直から出雲・日御碕神社へ伝えられた写本の系統—蓬左文庫本・日御碕神社本とその展開—はじめに/第一節 徳川義直をめぐる二つの写本—蓬左文庫本と日御碕神社本—/第二節 林家周辺に展開した『出雲国風土記』—日御碕神社本系—/おわりに〔コラム2〕『出雲国風土記』を書写した人々②—大名・榊原忠次—第三章 伊勢神宮の周辺と江戸で伝えられた写本の系統—三井文庫本・春木文庫本系の諸本—はじめに/第一節 伊勢神宮の周辺で展開した写本①—山内文庫本系—/第二節 伊勢から九州へ伝わった写本の系統—下井氏本系—/第三節 伊勢神宮の周辺で展開した写本②—中川氏本系—/第四節 江戸で展開した諸本—桃園文庫本系—/第五節 伊勢神宮の周辺で展開した写本③—本居宣長本系—/第六節 桃園文庫本系と同系統の諸本—東壁本系—/おわりに第四章 江戸から京都へ伝えられた写本の系統—西教寺本系の諸本—はじめに/第一節 西教寺本の後継本①—多和文庫本系—/第二節 西教寺本の後継本②—青山文庫本系—/おわりに〔コラム3〕『出雲国風土記』を書写した人々③—福岡藩・青柳種信—第五章 京都を中心に展開した写本の系統①—松下氏本系の諸本①—はじめに/第一節 土御門家本系の諸本/第二節 松下氏本の後継本①—松下見林本系—/第三節 松下氏本の後継本②—吉田氏本系—/第四節 吉田氏本と同系統の諸本/おわりに第六章 京都を中心に展開した写本の系統②—松下氏本系の諸本②—はじめに/第一節 二条家本系統の諸本/第二節 徳大寺家本系統の諸本/第三節 古田氏本系統の諸本—「賀茂真淵本」の系譜—/第四節 松室氏本系の諸本/おわりに第二部 近世出雲と『出雲国風土記』第一章 出雲で伝えられた写本の系譜はじめに/第一節 郷原家本の系譜/第二節 郷原家本系統の諸本①—金築氏本系—/第三節 郷原家本系統の諸本②—高野宮本系—/第四節 日御碕神社本直系の写本/第五節 出雲大社周辺に所在した写本①—「自清本」の系譜—/第六節 出雲大社周辺に所在した写本②—沢田氏本系の系譜—/第七節 出雲大社周辺に所在した写本③—自重館文庫本の系譜—/第八節 出雲から広がる諸本①—押小路家本系—/第九節 出雲から広がる諸本②—多和文庫本系—/おわりに〔コラム4〕『出雲国風土記』を書写した人々④—出雲大社・佐草自清—第二章 補訂本『出雲風土記鈔』の成立と展開はじめに/第一節 『出雲風土記鈔』の成立/第二節 『出雲風土記鈔』と脱落本系の諸本/第三節 『出雲風土記鈔』諸本間の関係/第四節 『出雲国風土記俗解鈔』の成立と展開—阿祢神社本を中心に—/おわりに〔コラム5〕『出雲国風土記』を書写した人々⑤—松江藩士・岸崎時照—第三章 万葉緯本の成立と展開はじめに/第一節 今井似閑と万葉緯本/第二節 万葉緯本の系統①—三手文庫本系—/第三節 万葉緯本の系統②—伊庭種季本系—/第四節 海北若冲本『万葉緯』について—東大法学部本を中心に—/第五節 脱落本系「万葉緯本」の系譜/おわりに〔コラム6〕『出雲国風土記』を書写した人々⑥—出雲大社・千家俊信—終 章 『出雲国風土記』の写本系譜と書写の背景あとがき/索 引(人名〔近世以前/研究者・近代以降〕・史料名〔近世以前〕/地名・寺社名等)
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