出版物
新版 色道大鏡 (しんぱん しきどうおおかがみ)
藤本箕山著 元禄初年成立
本体19,800円+税
初版発行:2006年7月14日 A5判・上製・カバー装・788頁 ISBN 4-8406-9639-X C3092
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江戸初期の全国遊郭を30年かけて踏破し風俗の実態を記録した遊里百科全書
読売新聞(2006年8月4日)、毎日新聞(2006年9月10日)等各紙絶賛紹介!
【内容説明】近世風俗を知るための藤本箕山著の基本図書。風俗語を中心とした日本語、美学、仏教の受容、流行ファッション、遊戯・玩具、芸能、書道史等々、江戸前期の女性史を極めて具体的な実例から語る。人名索引と遊里語・近世語彙を含む事項索引を附す。
藤本箕山著の遊里百科全書。江戸寛文期の京都島原遊郭の内実を基として、時代の変化・地方遊郭との差異を、三十年かけて全国を踏破して記録した、天下の奇書。遊郭内の名前の由来、しきたり、遊びの実際、心中・起請文など、古典芸能として現代につたわる歌舞伎や落語など、本書を読むことでより一層楽しみが深化する近世風俗を知る上での基本図書。
藤本箕山が生涯をかけた人間探求の名著の復活
●京都大学文学部図書館所蔵本全14冊18巻を新たに全て翻刻した。
●本書は、かつて野間光辰先生が翻刻し、『完本色道大鏡』の書名で限定三百部非売品として刊行、のち、小社から影印版全三巻を刊行したが、いずれも現在では入手困難な状態となっている。第一級資料として、広く近世文学・近世史のみならず、他分野に亘る研究者に、新版の刊行が強く希求されていたものである。
●『完本色道大鏡』では、巻12・13の「遊郭図 上下」及び巻16の「道統部」など、図版の部分は影印版で掲載された。今回の新翻刻に際しては、定紋・地図など、原本通りの図版を収載、従来未翻刻のままであった箇所の文字もすべて翻刻し、図版に嵌め込んだ。
●人名・事項索引はもとより、近世語彙研究の利用に配慮した語彙索引をも附した。
【本書に掲載された遊郭図の所在地】
京嶋原・山城国伏見夷町・山城国伏見柳町・近江国大津馬場町・駿河国府中 嶋・武蔵国江戸三谷・越前国敦賀六軒町・越前国三国松下・大和国奈良木辻、鳴川・大和国小綱村新屋敷・和泉国堺北高洲町・和泉国堺津守南高洲町・摂津国大坂瓢箪町・摂津国兵庫磯町・佐渡国鮎川山崎町・石見国塩泉津稲荷町・播磨国室津小野町・備後国 鞆 有磯町・安芸国広島多々海・安芸国宮嶋新町・長門国下関稲荷町・筑前国博多柳町・肥前国長崎丸山町、寄合町・肥前国樺島・薩摩国山鹿野
【目次】巻第一 名目抄
遊里関連基本語の解説、用語・年中行事・慣習・流行語の起源・意味を記す
巻第二 寛文格
誘客の振る舞い方、衣装・持ち物などを記す
巻第三・四 寛文式
遊女の心得、遊郭の規範や習慣を記す
巻第五 廿八品
野暮から粋の悟りに至る好色道の過程を記す
巻第六 心中部
放爪・誓詞・断髪・入れ墨・切指・貫肉など、遊女が客に対して誠意を証する方法を記す
巻第七 翫器部
三味線・琴・尺八の歴史と妙手の遊女、貝覆・カルタ・双六など玩具の由来を記す
巻第八 音曲部
小歌の来歴、歌い手の遊女の紹介、浄瑠璃・説経・舟歌などの歴史
巻第九 文章部
仮名遣い、消息文の心得、料紙、上包、文の封じ方などを記す
巻第十 定紋部
遊女の定紋・二つ紋・替紋と紋鑑の図案
巻第十一 人名部
遊女及び禿の名前の全国一覧、相撲の四股名、馬追の異名、さらに遊女の呼び名に触れる
巻第十二・十三 日本遊郭惣目
全国の遊郭二十五カ所に触れ、地図を記す
巻第十四 雑女部
当代二十六階層における女性論
巻第十五 雑談部
名妓説話など作者の旅中の見聞を記す
巻第十六 道統譜
四百人を超える遊女の系統を抱え主店毎に図示
巻第十七 扶桑烈女伝
京・江戸・大坂の名妓十九人の伝記
巻第十八 無礼講式・諫言篇
誘客のエチケット論および、作者の述懐
索引(人名・事項・語彙 沖森卓也〈立教大学〉)
解題(大橋正叔〈天理大学〉・渡辺憲司〈立教大学〉)
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