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日本近代短歌史の構築—晶子・啄木・八一・茂吉・佐美雄— (にほんきんだいたんかしのこうちく あきこ・たくぼく・やいち・もきち・さみお)

太田登著

本体7,800円+税

初版発行:2006年4月28日 A5判・上製・カバー装・492頁 ISBN 4-8406-9034-0 C3391



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啄木を分水嶺とする短歌史の創造!
連綿と繋がる歌のこころに迫る!
和歌から短歌へ 近代短歌から現代短歌へ 新たな視点で構築する短歌史

【内容説明】今まで個別の点として捉えられていた歌人・歌集を線として繋ぎ、三十一音に凝縮された豊穣な世界を読みとる!

明治30年代から昭和20年代にいたる短歌史を展望するに際して、「和歌から短歌へ」、そして「近代短歌から現代短歌へ」という大枠でとらえ、その分水嶺として歌人石川啄木を置いて論述。
 第1章では、明治26年の落合直文による浅香社創立を近代短歌の出発、大正15年3月の島木赤彦の病没によって近代短歌から現代短歌への移行が確実になったという見方を基本に据えて論述。特に近代短歌史の源流とも言うべき「明星」「アララギ」の動向や啄木の短歌観に焦点をあてる。
 第2章では、とくに会津八一と奈良との関係や与謝野晶子をはじめとする女性歌人たちに焦点をあて、近代短歌の成熟を迎える大正短歌史を考察。
 第3章では、いままで正当に位置づけられることが困難だった前川佐美雄の『植物祭』の短歌史的意義を明らかにし、さらに斎藤茂吉『暁紅』『寒雲』の作品世界における西欧体験を、日本の風土、文化にどのように蘇らせたかを論述。
 結章では、先行研究を踏まえた近代短歌史構築のためにその展望と輪郭を明らかにした。収録論文全25編、すべて読みやすさを考えた平明な文体で論述。

【目次】序 章 近代短歌史の輪郭
第一章 明治短歌史の展望
 1、明治三十四年の短歌史的意味
 2、金子薫園と『叙景詩』運動
 3、地方文芸誌『敷島』の短歌史的位置
 4、明治四十一年新詩社歌人の交渉のある一面
 5、女性表現者としての与謝野晶子の存在
 6、『みだれ髪』から『一握の砂』への表現論的意味
 7、短歌滅亡論と石川啄木の短歌観
 8、『一握の砂』における「砂山十首」の意味
 9、『一握の砂』の構想と成立について
 10、明治四十三年の短歌史的意味
 11、天理図書館所蔵「島木赤彦添削中原静子歌稿」について
 12、島木赤彦と女弟子閑古の歌

第二章 大正短歌史の展望
 1、与謝野寛・晶子における渡欧体験の文学史的意味
 2、近代歌人における〈奈良体験〉の意味
 3、会津八一『南京新唱』の世界
 4、会津八一における〈奈良体験〉の意味
 5、大正歌壇のなかの与謝野晶子
 6、近代女人歌の命脈

第三章 昭和短歌史の展望
 1、前川佐美雄『植物祭』の短歌史的意味
 2、一九三〇年の短歌史的意味
 3、昭和初期の前衛短歌運動の一面
 4、斎藤茂吉『暁紅』『寒雲』における〈西欧体験〉の意味
 5、戦後の短詩型文学をめぐる問題
結 章 近代短歌史の構想に向けて
 初出一覧
 あとがき
 索引

〔本書で採り上げられた歌人と歌集および短歌史上の出来事〕

【明治期】
 落合直文と浅香社/金子薫園『片われ月』/与謝野晶子『みだれ髪』/新詩社と『文壇照魔鏡』/『明星』と与謝野鉄幹の文学的戦略/薫園と尾上柴舟の『叙景詩』/子規鉄幹不可並称論議/与謝野晶子の「ヒロイニズム」/与謝野鉄幹『相聞』/近代短歌の分水嶺としての石川啄木『一握の砂』/啄木〈我を愛するよわき男〉と晶子〈我を愛する強き女〉/島木赤彦と伊藤左千夫「アララギ」の内部論争
【大正期】
 会津八一の奈良体験と『南京新唱』/森鴎外と「奈良五十首」/与謝野晶子と『青鞜』歌人(原阿佐緒・三ヶ島葭子)
【昭和期】
 前川佐美雄『植物祭』の現代短歌的意味/石原純の新短歌論議/渡辺順三らのプロレタリア短歌/前川佐美雄らのモダニズム短歌/中野嘉一のポエジー運動/土屋文明の即物的表現の意味/斎藤茂吉『暁紅』『寒雲』における西欧体験/第二芸術論議による危機からの再生


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